ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

ボランティア駅長が活躍する北条鉄道

f:id:shashosha70:20181008200518j:plain

(写真1 三重塔と並んで建つ法華口駅)

北条鉄道法華口駅で途中下車

 北条鉄道には、ステーションマスターという制度があって、ボランティア駅長が各駅でユニークで様々な取り組みが行われている。
 例えば、播磨横田駅では10月に着任したばかりの神月絢野ボランティア駅長がクラシック音楽のコンサートを企画しているし、播磨下里駅では住職の畦田ボランティア駅長が読経と法話を行っているし、同じ播磨下里駅ではもう一人の永長ボランティア駅長がお絵かき教室を開催、網引駅でも切り絵教室が開かれているという具合。
 また、長駅では浦濱ボランティア駅長がホームで列車の送り迎えを行っていて、昭和レトロそのままの雰囲気を醸し出している。
 このたびは、これらの駅のうち法華口で途中下車してみた。
 法華口駅では、一時、女性のボランティア駅長が列車を見送る姿が新聞やテレビに取り上げられて評判を呼んでいたが、くだんの女性駅長は1年前に家庭の事情とかで退任していて、新しく男性のボランティア駅長が就任していた。

f:id:shashosha70:20181008200608j:plain

(写真2 法華口駅のパン工房モン・ファボリの様子)

 駅舎内には、モン・ファボリというパン工房が人気を呼んでいた。かつての出札窓口がレジになっているし、手荷物扱いのカウンターにはパンが並べられてあった。
 見ていると結構客は多くて、中には鉄道を利用しない客も少なくなくて、地元の支持も強いようだった。待合室はそのままカフェになっていて、私もパンとコーヒーをいただいた。
 法華口駅は、1915年に北条線が開業した当時からの駅舎で、すでに100有余年を経過し今や登録有形文化財に指定されている。
 ここはまた国宝三重塔で知られる名刹法華山一乗寺への最寄り駅で、駅舎の隣にはその国宝を模した三重塔が建っている。
 1時間に1本しかない北条鉄道のこと。途中下車してしまえば次の列車には1時間待たなければならないのだが、強制的に与えられたこの何もできない?時間がかえって貴重で、駅周辺などをぶらぶらしながら豊かな時間を過ごしたのだった。

f:id:shashosha70:20181008200703j:plain

(写真3 歴史を感じさせるたたずまいを見せる法華口駅)