ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

福岡市地下鉄七隈線

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(写真1 七隈線の鉄輪式リニアモーターカー先頭車。床下の長い箱状のものが直線形リニア)

リニアメトロ路線

 先週は、5日間にわたり福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島の順に5県を巡った。毎度のことながら徹底して鉄道乗りまくりの旅だった。
  初めに福岡市地下鉄。福岡市交通局の運営で、空港線、箱崎線、七隈線(ななくません)の3路線があり、このうち七隈線は福岡市西南部から都心に向かう鉄道路線として橋本駅と天神南駅間を結んでいる。路線距離は12.0キロ。駅数16。
 天神南駅。空港線に乗り天神駅が近づくと、七隈線乗り換えとアナウンスされるが、天神駅と天神南駅間は、福岡最大の繁華街天神の地下商店街を約10分ほど歩かなければならない。地下街を歩いているからわかりにくいが、500メートル以上も離れているか、とても乗換駅とはいいにくいほどの距離があり、七隈線は二度目だが、事情を知らないと腹が立ってくるほどではないか。駅の案内には、両駅の乗り換えは120分以内でと表示してあったが、この範囲内ならば通しの距離計算になることのようだ。

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(写真2 天神南駅に到着した七隈線電車)

 天神南駅は1面2線のホーム。11月26日9時55分橋本行き。2番線からの発車。ちなみに、1番線は降車専用で、到着した列車はいったん引き上げ線で折り返し2番線に入ってくる仕組み。
 駅間距離が短いようで、頻繁に停車する。そして都心から郊外へ向かう路線なのに頻繁に降車乗車がある。大学生の姿が多いようだ。「指導員」の腕章を付けた係員が車内を巡覧している。まさか大学生相手のものではないだろうが、乗車マナーを指導しているものであろうか。路線名になっている七隈を過ぎて次の福大前で学生がごっそり降りた。
 10時20分橋本。到着ホームは降車専用の片側1線。対して発車は島式1面2線のホーム。ここもいったん引き込み線で折り返して発車ホームに入線してくる仕組み。
 駅前はいかにも郊外の住宅地という様子で、何の変哲もなかったのですぐに折り返した。
 ところで、この七隈線はいわゆるリニアメトロという方式の鉄道。福岡市地下鉄で他の空港線と箱崎線の2路線は一般の鉄道だが、他の2路線に遅れてあとから開設された七隈線だけは異なる方式となっている。
 リニアメトロとは、鉄輪式リニアモーターカーのことで、リニアモーターを駆動輪にしている。円筒形のモーターとは違って、車体の床下と線路に電磁石を設置した直線形のリニアモーターによって走行しているのが特徴。また、リニアというと、車体が浮くように思い浮かべるが、それは磁器浮上式リニアモーターカーのことで、まったく異なる方式である。
 直線形のモーターであるところから台車などを小さくすることができ、車高が低くなる。これによって車体全体も小さくすることができて、トンネルの断面積も小さくなるところから建設コストを低く抑えることができる。
 こうした効果があるところから、全国の大都市の地下鉄で採用するところが相次いでいて、1990年に開業した大阪の長堀鶴見緑地線を皮切りに全国7路線に及んでいる。
 七隈線に乗り込んですぐに感じた。車両が一回り小さいのである。東京なら都営大江戸線とそっくりである。乗っていると、幾分か静かである。また、鉄輪式リニアモーターカーは勾配や曲線にも強いようだ。

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(写真3 天井部分がやや小さく見える七隈線車両)