ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

梅雨入り直前の金沢

(写真1 土塀が建ち並ぶ長町武家屋敷)

戻った観光客

 先週は金沢へ旅行した。金沢は1年半ぶり。梅雨入り直前で天気予報では3日間とも雨のようだったが、晴れ男の面目躍如、降ったりやんだりながら、結局、滞在中には傘はささずに済んだ。
 金沢はとてもにぎわっていた。外国人観光客の姿は見られなかったが、若い女性や、特に修学旅行中の中学生が多かった。中学生は6人ほどのグループで行動しているようで、市内あちこち何度も出くわす学校もあった。
 金沢は何度も訪れていて、特に見たいところもないのだが、同行者が久しぶりというので、定番の観光スポットを一通り巡った。
 兼六園や金沢城公園は、さすがに美しいものだといって感嘆していたが、近江町市場やひがし茶屋街などにはあまり強い関心を持たなかったようだった。同行者が関心を示していた金沢21世紀美術館も事前予約が必要だとのことで、もともと常設のコレクションに見るべきものはプール一つぐらいしかないようなところだから作品は見ずじまいだった。
 それにしても、兼六園や金沢城址はともかく、市場や茶屋街が名所というのでは中学生にはいかがなものか。
 同行者はのんびりした旅が好みなので、とにかくゆっくりと巡った。いつもはまるで時刻表があるようにきちきちと歩く自分だから、このような旅もいいものだなと思った。とにかく、見物よりも、日常から非日常への脱出が旅の大きな目的だから、急ぐ必要はまったくないのだった。
 同行者が喜んだのは長町武家屋敷跡。かつての武家屋敷が建ち並んでいてとても風情がある。黄色い土塀に特徴があるが、これが冬なら、土塀を菰で囲っていて、これも独特の景観となっている。
 旅の楽しみは食事だが、このことでも満足は少なかった。寿司に人気があるのだが、やはり観光地なのか、値段の割にうまいものに当たらなかった。とにかく寿司が好きで全国で食べているが、観光客が出入りするような店では概して当たらない。東京の方がよっぽどうまい寿司を食べさせてくれる。
 歩いていて良さそうな店を見つけては入ったのはカフェ。その中で気に入ったのは一つ。橋場町にあり、佇まいはまるでビルの内外装をいじったような店で、内装は高い天井が剥き出しで、店内のイスやテーブルの配置も無造作なくらいゆったりしていてとても落ち着けた。コーヒーとチーズケーキをいただいたが、このチーズケーキは濃厚で感動したほどのうまさだった。