ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2019-01-01から1年間の記事一覧

第85回旺玄展

(写真1 出品作品を前に戸田泰生さん) 伝統の公募展 上野公園の東京都美術館で開かれていた。年1回開催され85回目という大変伝統のある公募展。規模も大変大きくて、今回は出品者数が405人、出品数が468点に達した。 会場に入ると、展示室が28…

三岐鉄道三岐線

(写真1 三岐鉄道三岐線終着駅西藤原駅舎) 私鉄唯一のセメント輸送路線 三岐鉄道は、三重県の北勢地域で三岐線と北勢線の二つの路線を運行するローカル私鉄。北勢線は西桑名から阿下喜を結び、一方、三岐線は、同じ近鉄沿線で桑名から10分弱南になる近鉄…

三岐鉄道北勢線

(写真1 北勢線西桑名駅) ナローゲージの鉄道路線 三岐鉄道の北勢線は、これは何とも珍しくも楽しくなる鉄道。軌間がわずかに762ミリというナローゲージ(特殊狭軌)なのである。観光鉄道はともかく、一般に旅客営業を行っているものとしてはほかに四日…

養老鉄道養老線

(写真1 桑名方面と揖斐方面の列車が同時に到着しにぎやかな大垣駅ホーム) 岐阜から三重へ揖斐川右岸を縦断 養老鉄道養老線は、岐阜県の揖斐駅と三重県の桑名駅間を結ぶ路線。全線57.5キロ。駅数は27。途中の大垣駅はスイッチバックとなっており、大…

リニモ

(写真1 走行中のリニモ) 愛知高速交通東部丘陵線 リニモとは、リニアモーターカーによる鉄道路線の愛称。HSSTによる磁気浮上式の鉄道路線としては日本で初めて。2005年の愛知万博で建設され、その後も実用路線として営業運転が行われている。 路…

城北線

(写真1 城北線勝川駅。まるで工事が中断しているような様子。左は中央線の高架) 中央本線勝川-東海道本線枇杷島間を結ぶ 中央本線勝川駅と東海道本線枇杷島駅間を結ぶ路線。中央本線から東海道本線名古屋以西に向かう短絡線である。中央本線から金山ある…

愛知環状鉄道

(写真1 東海道本線と接続する岡崎駅0番線愛環線ホーム) 東海道線岡崎-中央線高蔵寺間を結ぶ 愛知環状鉄道(通称愛環)は、東海道本線の岡崎駅と中央本線の高蔵寺駅間を結ぶ第三セクター鉄道。全線45.3キロ。駅数23。旧国鉄の岡多線を前身に1988…

名鉄全線に乗る!

(写真1 名鉄名古屋駅。線路は2本だけ。1日に1千本の列車が通過する過密ダイヤ) 20路線444.2キロ275駅 名鉄(名古屋鉄道)全線を乗りに出かけた。これまでも一度以上は全線に乗ったことはあるのだが、改めて乗ってみた。5月8日から10日まで…

大雄山線

(写真1 大雄山駅前にある熊に跨がり鉞を担いだ金太郎の像) 天狗と金太郎に出会えるか? 大雄山線は、小田原駅と大雄山駅を結ぶ伊豆箱根鉄道の路線。全線9.6キロ、駅数は12。当初は、道了尊で知られる最乗寺への参詣客向けに開通したが、近年では沿線…

小田急全線に乗る!

(写真1 小田急小田原駅ホーム。明るい大屋根が特徴だ) 3路線120.5キロ70駅 令和最初の日の5月1日、小田急に乗りに出かけた。たまたまそうなっただけで、特に令和と意味づけたわけでもない。ただ、令和となっても旅に暮らすのかという感慨は多少…

アンドリュー・ワイエス展

(写真1 会場の美術愛住館外観) 美術愛住館で 美術愛住館は、地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩数分。堺屋記念財団の創設で、2018年の開館。堺屋太一とその妻で洋画家の池口史子の業績を伝えつつ展覧会を開催している。館長は多摩美大教授の本江邦夫…

高尾山ケーブル

(写真1 高尾山ケーブルの麓駅清滝駅) 日本一の最急勾配路線 高尾山は、東京の西部、八王子市にあり、標高599メートル。都心から約1時間ながら本格的な登山が手軽に楽しめるとあって人気の行楽地。国定公園になっており、ミシュランガイドでも三つ星に…

京王井の頭線ぶらり旅

(写真1 井の頭線の終点吉祥寺駅) 京王電鉄では異質の路線 先日のこと、京王線全線を乗りつぶそうとしたが、途中で道草を食ったりしているうちに時間が足りなくなり、井の頭線だけ積み残してしまった。しかし、改めて乗ってみると、井の頭線だけが京王電鉄…

京王線全線に乗る

(写真1 京王八王子駅外観) 都下を西へと伸びる路線 京王線は、京王電鉄が運行する鉄道路線。本線にあたる京王線新宿-京王八王子間のほか、そこから枝分かれする相模原線、競馬場線、動物園線に高尾線を含めて称する場合がある。なお、この場合、井の頭線…

大江健三郎『政治少年死す』

『セヴンティーン』第二部 『セヴンティーン』は1961年「文学界」1月号に発表され、続いて2月号に『政治少年死す』(セヴンティーン第二部)が発表された。大江健三郎26歳の頃で、大江はすでに23歳で芥川賞を受賞し、旺盛な執筆活動を行っていて最…

仙台市地下鉄

(写真1 広瀬川橋梁を渡る東西線電車) 南北線と東西線 三陸からの帰途、仙台で途中下車し、仙台市地下鉄に乗った。 二つの路線があり、その名の通り南北に貫く南北線と、東西に走る東西線。二つの路線はJR仙台駅に直結する仙台で直角に交差している。路…

JR八戸線

(写真1 鮫駅を過ぎると右窓丘の上に見える鮫角灯台) 三陸縦貫鉄道構成路線 三陸鉄道リアス線を久慈から乗るためには八戸線で向かう必要がある。 八戸線は、八戸から久慈を結ぶ全線64.9キロの路線。青森県から岩手県にまたがり三陸海岸北部に位置し、仙…

定点観測地点田老へ

(写真1 2019年3月26日震災8年目の田老) 8年目の被災地を訪ねて③ 宮古からはさらに北上を続け田老を目指した。宮古-田老間は、鉄道なら路線距離12.7キロ、約19分、自動車でも約20分のところである。現在は宮古市に編入されている。 (写真…

復旧した旧山田線と沿線

(写真1 復旧した第34閉伊川鉄橋を渡るリアス線列車) 8年目の被災地を訪ねて② 陸前高田から被災地を北上してきて、釜石から宮古までは三陸鉄道に移管された旧山田線沿線。 復旧までに8年を要したが、開通してみれば、鉄道の復活は沿線住民が熱望したも…

8年目の被災地を訪ねて①

(写真1 陸前高田で14メートルもかさ上げされた台地) 陸前高田から釜石へ 岩手県の三陸沿岸が北から南まで鉄路でつながった三陸鉄道リアス線163.0キロを通常営業2日目の3月25日に久慈から盛まで一本で乗り通したが、翌26日には、レンタカーで…

BRTで陸前高田へ

(写真1 盛駅を発車したBRT=右。左はリアス線車庫) 専用道率向上が課題 久慈から盛まで三陸鉄道リアス線163.0キロを一直線に乗り通したあとは、引き続き盛からは大船渡線に乗り継いで陸前高田に向かった。 大船渡線は、盛から一関を結ぶ路線だが、…

三セク最長久慈-盛間163キロ

(写真1 久慈駅で購入した久慈発盛行ききっぷ。戻ることはできないが片道で途中下車が可能なきっぷである。3,710円) 三陸鉄道リアス線全線乗り通す③ 釜石を出ると旧南リアス線区間となる。乗客の多くは釜石で下車してしまいやや空いた。 この区間は海沿い…

8年ぶり悲願の復旧宮古-釜石間

(写真1 第34閉伊川鉄橋にさしかかった列車。崩落した鉄橋が復活した) 三陸鉄道リアス線全線乗り通す② 宮古では15分の停車。10時00分の発車。1番線。かつてはJRが使用していた改札口に面したホーム。三陸鉄道(三鉄)の使用に移行したもののよ…

三陸鉄道リアス線全線乗り通す①

(写真1 ホームで列車を歓迎する子どもたち。岩手船越駅で) 盛から久慈へ8年ぶりの全通 震災の影響で不通となっていた山田線沿岸部が復旧し、盛駅から久慈駅まで8年ぶりに鉄路でつながった。3月23日復活の記念運転が行われた後、翌24日から通常の運…

川本三郎『あの映画に、この鉄道』

日本映画鉄道紀行 映画に登場した鉄道が丹念に取り上げられている。 ざっと数えてみたところ、取り上げられた映画は合計241本。登場した路線や駅は実に404。著者は評論家。映画や鉄道に造詣の深いことはよく知られているところだが、それにしてもよく…

映画『マイ・ブックショップ』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 本好きにとって至福の空間 印象的な結末だった。衝撃の後に救いが現れた。本はいつまでも途絶えない、永遠に伝わっていくということが示されて大変心強いものだった。 1950年代のイギリスが舞台。フ…

京急大師線

(写真1 京急川崎駅3番線ホームで発車を待つ京急大師線小島新田行き列車) 京浜間湾岸の小路線② 京急大師線は、京急川崎駅と小島新田駅を結ぶ全線4.5キロの短い路線。駅数は7。多摩川沿いに東京湾に向けて西から東へ伸びる路線である。 そもそもは、川…

京急空港線

(写真1 1番線ホームに到着した品川方面からの空港行き列車) 京浜間海沿いの小路線① 風邪をこじらせてしまってここのところ泊まりがけの旅行は控えている。寝込むようなこともないので、遠出は避けて近いところの鉄道を求めて乗っている。初めてのところ…

東武宇都宮線

(写真1 東武デパートが一緒になった駅ビルになっている東武宇都宮駅) 下野国を南北に走る 東武宇都宮線は、東武日光線の新栃木駅から分岐して東武宇都宮駅に至る全線24.3キロの路線。ただし、ごく一部の列車を除き大半は隣の栃木駅発着。駅数は栃木駅…

映画『斬、』

(写真1 映画館で配布されていたパンフレットから引用) これも一つの幕末描く 塚本晋也の監督・脚本・撮影・編集・製作作品。出演は池松壮亮、蒼井優そして塚本晋也自身も。 江戸末期、250年も続いた太平の世が揺らぎ始めた時代。疲弊する農村、困窮し浪人…