ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

京王線全線に乗る

f:id:shashosha70:20190506141823j:plain

(写真1 京王八王子駅外観)

都下を西へと伸びる路線

 京王線は、京王電鉄が運行する鉄道路線。本線にあたる京王線新宿-京王八王子間のほか、そこから枝分かれする相模原線、競馬場線、動物園線に高尾線を含めて称する場合がある。なお、この場合、井の頭線は含めない。また、増設別線である新線新宿-笹塚間の京王新線は含める。大きくは、東京西部に向け新宿から甲州街道(国道20号線)に沿っている。
 私は新線新宿駅から乗車した。地下5階にホームがあり、地下2階にある京王新宿駅よりもさらに深い。JRや小田急などが乗り入れる新宿駅の中では最も西寄りにあり、ホームはちょうど甲州街道の地下にあるようだ。都営地下鉄新宿線と相互直通運転を行っており、京王新線3.6キロを経て笹塚で本線に合流する。
 4月23日。定刻11時30分のところ3分遅れて発車。準特急京王八王子行き。10両編成。京王線の列車種別は複雑で、京王ライナー、特急、準特急、急行、区間急行、快速、各駅停車とあり、準特急はかつての通勤快速が置き換えられた。それぞれに運転パターンも異なるから慣れないとまごつく。
 発車すると、京王新線区間を地下で抜け、笹塚の手前で地上に出て本線と合流した。停車駅は少なく、明大前、千歳烏山、調布と続いた。調布駅の前後は地下化されていた。調布を過ぎたら緑が増えたようだ。
 スピードも速いようで、窓外の風景が次々と流れていく。最高速度は110キロとある。ゲージは1372ミリ。JRや大方の私鉄の1067ミリに比べだいぶ広い。しかし、新幹線などの1435ミリに比べてはやや狭く、特殊な軌間ではあり、東京馬車鉄道を前身とし、東京市電から都電と受け継がれたところから、馬車軌間と揶揄された時代もあったようだ。現在ではこのゲージは一般鉄道としては京王線と、それに直通運転を行う都営新宿線のみである。
 12時03分、多摩川を渡った。山が近づいてきたようだ。高幡不動駅周辺で京王線の車両基地が右窓に見えた。
 北野で右に大きくカーブし、高尾線が離れていき、近づいてきたのはJR横浜線か。
 そうこうして京王八王子到着。12時17分。遅れは取り戻していないようで新宿から44分の所要だった。路線距離37.9キロ。意外に八王子は近い。駅数は32。ちなみに、JRの普通列車なら50数分だから随分と早い。
 駅前に降り立つと、左奥前方にJRの八王子駅が見えている。この間、400メートルほどか。JR駅周辺の方がにぎやかそうに見える。
 帰りは、新宿に戻りながら、途中で枝分かれした路線を一つずつ乗りつぶしていった。
 京王八王子の一つ手前、北野からは高尾線が分岐している。5つ目の高尾駅はJR中央線の高尾駅と接続。さらに進んで高尾山口が終点。この間、8.6キロだが、新宿からの直通列車も多い。
 高幡不動からは動物園線。片側1線のホームで、動物園線の専用ホーム。高幡不動から途中駅はなく多摩動物公園。距離2.0キロ、所要4分。4両編成の線内折り返し列車。高幡不動駅を出ると新宿方面に進みすぐに右にカーブ。ほどなく多摩都市モノレールと並走しそのまま終点。多摩動物公園に直結している。
 次ぎに競馬場線。東府中と府中競馬正門前間を結んでいる。0.6キロ、所要2分。終点府中競馬正門前駅はものすごく幅の広いホーム。競馬開催時の多客に対応したものだろう。自動改札機も10機ほど並んでいる。改札口から連絡橋を渡って競馬場に直結している。

f:id:shashosha70:20190506141946j:plain

(写真2 多摩センター付近の車窓)

 調布からは相模原線。1番線から17時32分発京王多摩センター行き普通列車。京王多摩川を出て多摩川を渡った。この日2度目。どこまでも大東京が広がっており、丘の上に団地が連なっており、広大な多摩ニュータウンへと分け入っていく。京王永山で小田急が左窓に寄り添ってきてそのまま京王多摩センター。小田急多摩センター駅とホームが並んでいる。
 ここで橋本行きに乗り継ぎ、多摩境を出て神奈川県に入り終点橋本。路線距離22.6キロだが、都営新宿線からの直通列車もあり、新宿からなら38.1キロとなる。
 橋本駅はJR相模線との接続駅。夕方の通勤通学時間時間帯だったのだが、多くの乗客でにぎわっていた。首都圏の拡大が実感されるようで、かつての橋本では考えられないほどだった。
 この日は1日乗車券(900円)を使っていて、京王電鉄の全線に乗るつもりだったのだが、夕方になったので井の頭線は後日に回した。

f:id:shashosha70:20190506142031j:plain

(写真3 相模原線の車窓に見た暮れなずむ夕景)