ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

BRTで陸前高田へ

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(写真1 盛駅を発車したBRT=右。左はリアス線車庫)

専用道率向上が課題

 久慈から盛まで三陸鉄道リアス線163.0キロを一直線に乗り通したあとは、引き続き盛からは大船渡線に乗り継いで陸前高田に向かった。
 大船渡線は、盛から一関を結ぶ路線だが、海沿いを走る盛から気仙沼までの区間はBRT(高速バス輸送システム)として運行されている。
  まことに震災の被害が甚大だった区間で、盛から陸前高田まで20.3キロ、駅数7のうち、実に5つの駅で駅舎流出などの被害に遭った。
 再建にあたっては、地元からはあくまでも鉄路での復旧を要望する声が強かったものの、最終的には、復旧が早い、維持費も少ないなどの理由からBRTでの復旧となった。
 盛駅。三陸鉄道リアス線とJR大船渡線BRTとの接続駅で、それぞれ別個の駅舎を構えているが、1面2線の島式ホームは大船渡線2番線、リアス線3番線と同じホームとなっている。なお、本屋側片側1線のホーム1番線は大船渡線の降車専用。
 13時25分発の気仙沼行きに乗車した。当初、12時50分発に乗ろうとしていたのだが、下校中の高校生で満員、とても乗り切れなかった。このバスは途中短絡する区間があるようで、後発に比べ全区間約60分のうち約20分も短縮されるようだから人気があったのだろう。

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(写真2 大船渡線BRTの大船渡駅)

 盛を出ると大船渡などと大船渡湾の西岸を走る。大船渡湾は湾が深く、天然の良港であることがわかる。ただ、このことが津波被害を大きくしたのだが。
 大船渡は大船渡市の中心だが、高台はともかく平地の部分は津波で壊滅した。かつて鉄道駅のあった同じ場所にBRTの駅が設けられている。JRはあくまでも鉄道と同じ扱いで、路線名がそのままなほか、停留所も駅と呼んでいて、基本的には同じ場所に設置してある。

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(写真3 専用道を走るBRT)

 しばらく専用道を走っている。線路の路盤をそのまま整地して舗装したもので、踏切(交差点)もBRT優先になっていて、BRTが近づくと遮断機が上がる。
 BRTは運行時間が実に正確で、ほぼ鉄道と同じダイヤで走っている。ただ、専用道の割合いはまだまだ低くて、専用道比率は37%ということである。市街地に入ると一般道路を走る場面が増えるからどうしてもこうなる。ただ、JRでは専用道比率の向上を目指していて、早晩43%まで高めたい計画である。専用道比率が高まれば、無人化自動運転の可能性も出てくるから重要である。
 BRTになって駅も増えたし、路線にも柔軟性があるから、通学の高校生や通院や買い物のお年寄りには好評のようだ。また、鉄道駅と違ってバリアフリーであることも大きなメリットであろう。
 陸前高田市街に入ると、建設機械が一挙に増えた。復興工事の真っ最中である。市街中心部を14メートルもかさ上げしようというという壮大な工事で、すでに整地も終わって共用されているところでは、知らなければここが嵩上げされたところだとが気づかない。それほどに広大でもある。
 大船渡線BRTの陸前高田駅は、かさ上げされ商店街が建ち並ぶ新市街中心にあった。立派な駅舎があり、BRTの発着するホームも設けられていた。また、駅舎内にはみどりの窓口なども設けられており、鉄道駅と何ら変わらない。

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(写真4 大船渡線陸前高田駅。まるで鉄道駅のような立派さ)