ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

映画『復讐は私にまかせて』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用)

インドネシア映画

 インドネシア映画とは珍しいが、渋谷のイメージフォーラムで観た。監督エドウィン、撮影芦澤明子。エドウィンはインドネシア気鋭の監督、芦澤は黒澤清作品で知られる。
 暴力映画、恋愛映画、暗黒映画、復讐劇などのキーワードがごちゃ混ぜに詰め込まれた映画。意味不明。しかし、終始緊張感が続き神霊や謎の女が登場したりと娯楽性はある。ただ、映画のつくりは少々乱雑。もっとも、ロカルノ国際映画祭最高賞受賞だが。
 1989年のインドネシア。喧嘩っ早い青年アジョ。女だてらにボディーガードのイトゥン。二人の決闘。インドネシアの伝統武芸だというが、カンフーのようだ。
 この二人が急速に惹かれあい、結婚に至る。しかし、アジョは勃起不全の男。満足な性生活がおくれない。アジョの勃起不全が少年時代の出来事がトラウマとなっていると知るや、イトゥンは復讐に立ち上がる。
 一方、ある日、イトゥンは、知り合いの男に抱かれ妊娠してしまう。
 妊娠を告白されると、アジョは家を出て行く。イトゥンは産んだ赤ちゃんを捨子に出す。
 大きなあらすじはこれだけだが、インドネシア特有のねっとりした暑さのせいか、人々は狂気に走るようだ。
 ただ、ラストシーンで、アジョもイトゥンも我が家に帰ってきてハッピーエンドになったことには救われた。もっとも、それも、二人が帰ってきたばかりの家に軍人が訪ねてきた様子が挿入されており、先行きがどうなるものか、必要なカットだったのか、どういう意味があるのか不明。

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