ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

南海和歌山港線

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(写真1 和歌山港駅の南海フェリー連絡通路)

南海フェリー四国航路連絡線

 多奈川線を往復したあとはいったん和歌山市駅まで出た。途中には加太線があるのだが、ダイヤの都合で和歌山港線に先に乗ることにした。このあたりは工夫のいるところで、旅程を組むのに苦労したが、あうでもないこうでもないと時刻表をくくるのは鉄道旅行の楽しみの一つ。時に〝名作〟や〝傑作〟も生まれるから面白い。
 南海本線は、大阪のなんば駅と和歌山市駅を結ぶ64.2キロの路線だが、和歌山市駅からはさらに和歌山港駅まで伸びていて、この区間が和歌山港線。
 和歌山市駅は、南海とJR西日本の共用駅で、管轄は南海。JRとしては駅員配置はなく、南海としては本線や和歌山港線などが発着するターミナルとなっている。ただし、和歌山市駅と和歌山駅とを結んでいるのはJRのみで、南海としても和歌山駅まで延伸する計画は消えてはいないようである。
 1903年の開業と古く、すでに115年の歴史を有する。南海和歌山ビルがターミナルビルだったが、このたび訪れてみると新しい駅ビルの建設工事中だった。まだ工事が始まったばかりなのか、鉄骨の姿も見えなかった。
 ホームは7番線まであり、和歌山港線は7番線発着。6番線ホームの一部を切り込んで設けられている。ただし、なんばから和歌山港まで直通する特急列車サザン号は4番線が発着ホーム。

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(写真2 和歌山市駅4番線ホーム)

 さて、和歌山港線。和歌山市10時10分発。なんば発の特急サザン号で4番線から。編成の和歌山港寄り先頭4両が普通車使用の車両だった。
 路線は、紀ノ川の左岸沿いになっていてわずか一駅で終点和歌山港。1面2線の高架ホーム。営業距離は2.8キロである。
 ホームからはフェリー乗船待ちの車が列を作っているのが見えたが、駅からも連絡通路でフェリーターミナルとつながっており、南海フェリーの四国航路が和歌山港と徳島港を結んでいる。和歌山港駅で下車した旅客の大半はこの連絡通路を渡って行った。
 和歌山港線のダイヤもフェリーの運航と連絡できるように組まれており、1日8便の運行。
 例えば、なんばを7時10分発のサザン号に乗ると、和歌山港着が8時15分で、和歌山港8時30分発のフェリーに連絡でき、徳島港に10時35分に到着する。フェリーの乗船時間は約2時間ということ。大阪と四国を結ぶ貴重な路線ということができる。

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(写真3 和歌山港駅。高架に見える列車はなんば行き特急サザン号)