ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

にぎわいの和歌山電鐵貴志川線

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(写真1 列車に乗ることが楽しくなる貴志川線の車内)

たま駅長は二代目に

 南海電鉄の小路線3線を和歌山市駅を中心に乗り歩いたあとは和歌山駅に移動した。
 和歌山市-和歌山間はJRの路線で、和歌山市駅は亀山駅を起点とする紀勢本線の終点駅である。和歌山市駅でJR線は2番線(1番線は欠番)からの発着。JRと南海との間で中間改札がある。
 和歌山市-和歌山間は2両編成による都市型通勤車両による折り返し運転を行っている。なお、和歌山市と和歌山との間にある紀和駅はかつての和歌山駅で、当時、現在の和歌山駅は東和歌山駅と称していた。
 和歌山駅は5面8線のホームを持つ大きな駅。紀勢本線のほか阪和線、和歌山線の終点駅である。和歌山市からの電車は8番線に到着した。
 和歌山電鐵貴志川線は9番線。JR各線との間で地下道で結ばれている。9番線ホームには中間改札があり、簡単な出札窓口がある。
 ホームには濃い赤色の2両の電車。うめ星電車の愛称がついておりいかにも。ほかにもいちご電車やたま電車、おもちゃ電車の愛称がつけられた列車が運行されており、親しみやすさが強調されている。
 車内も思いっきりしゃれている。鉄道車両デザイナーとして人気の水戸岡鋭治氏の設計になるもので、ロングシートの椅子も木製だし、床もフローリング。窓には竹を編んだすだれという凝りよう。ゆったりとした汽車旅を楽しみたくなる。
 実は、貴志川線は南海電鉄が経営する路線だったのだが、南海が採算難を理由に手放したところを、新たに設立された和歌山電鐵が継承したもの。和歌山電鐵移行後は輸送量が増加しているという。
 さて、和歌山を発車した列車は、和歌山市の郊外を東へと向かって走っている。土曜日だったせいか乗客には観光客が多いように思われた。車窓には特に大きな変化は少なかったが、稲は青々として生育は順調そうだった。
 途中、伊太祁曽(いだきそ)駅で列車の行き違いがあり、やってきた列車がたま電車だったから、写真に収めようとする乗客がホームで待ち構えていた。なお、この駅には車庫もあって、いちご電車が休んでいた。

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(写真2 スーパー駅長をカメラに収めようとする女性ファン)

 全線14.3キロ、駅数は起終点を含めて14駅。そうこうして終点貴志駅到着。大変なにぎわい。もとより猫のスーパー駅長たまが目当て。初代のたまは7年前に亡くなっており、現在は二代目の〝ニタマ〟。
 私が初めてこの駅に降り立った際には、たまはベンチにのんびり座って眠っているだけだったが、その後人気は上昇してたまに会いに来るだけの乗客が増えて、駅長からさらに社長代理にまで出世していたのだった。
 二代目がいつ就任したのかは定かではないが、あまりの人気ぶりにガラスのケースに鎮座しているような次第だった。
 貴志駅は駅舎も凝っていて、檜皮葺屋根は猫の顔を模しているのだった。また、駅舎内にはたまカフェやショップもあって、観光客であふれかえっていた。

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(写真3 貴志駅。猫の顔を模した檜皮葺屋根)