(写真1 津軽線三厩駅)
鉄道のある風景 線
激しく旅情を感じさせる駅というものがある。
最果ての行き止まりの終着駅がそうで、降り立った乗客がぽつりぽつりなどというのはことさらで、寂寥感が襲ってくる。
三厩駅は、青森を起点とする津軽線の終着駅で、途中、蟹田などいう駅が出てきて、駅名をきくだけに叙情性を感じるし、ここから一人龍飛崎を目指すかと思えばなおさら旅情が深まる。太宰も『津軽』にこの先に道はないと書いていた。
龍飛崎からの帰途だったのだが、この日は2月だったから午後4時だというのにもう暮れなずんでいる。青森行きに乗った乗客はたった一人だけだった。JRには申し訳ないが、こういうのが最もよい。(2009年2月7日撮影)