ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

「博物館でお花見を」

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(写真1 〝お花見〟に大勢の人が訪れていた東京国立博物館本館)
東京国立博物館の特別な出会い
 上野の東京国立博物館で「博物館でお花見を」という面白い企画をやっている。
 企画展ではなくて、通常の常設展なのだが、展示室の至るところに桜にちなんだ作品がちりばめられていた。

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(写真2 国宝花下遊楽図屏風(部分)。400年前の花見の様子が描かれている)
 例えば、屏風では国宝「花下遊楽図屏風」(狩野長信筆、江戸時代)や重文「月次風俗図屏風」(室町時代)、「源氏物語図屏風(若菜上)(伝土佐光則筆)などとあり、浮世絵の展示室では桜や花見を題材にしたものを集中して展示していた。ほかにも陶磁器から衣装、彫刻などに至るまで桜づくし。
 東博(東京国立博物館)では、正月にも「博物館に初詣」という企画をやっていてなかなか洒落たものだった。また、魅力的なことは、こうした企画の際には常設展とはいえ、普段容易には目に触れることの少ない国宝級の作品が特別に展示されていること。
 もう一つ、今回特に素晴らしかったのは、東博の庭園が特別に公開されたこと。春秋2回のほか日頃は行っていないサービスとのこと。本館の裏一体に位置し、庭はなかなか広いもので、中央に池を配し、ぐるりと桜が取りまいていてなかなか魅力的なものだった。また、園内には茶室なども配置されていた。

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(写真3 東博の庭園。茶室転合庵から池越しに本館を望む)