ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

神岡鉄道奥飛騨温泉口駅

シリーズ 駅 情景 (写真1 神岡鉄道の終点奥飛騨温泉口駅) 廃線になった終着駅 神岡鉄道は、高山本線の猪谷駅(いのたに=富山県富山市)から奥飛騨温泉口駅(岐阜県飛騨市)を結んでいた。全線19.9キロ、駅数は8。そもそも国鉄神岡線を転換した第三セ…

バラ真っ盛り

(写真1 まるでバラ園のよう。数えてみるとざっと色とりどりに20数種類ものバラがあるようだ) まるでバラ園のような庭も 近所の公園にあるにバラ園は閉ざされたまま。垣根越しに眺めている。 しかし、近所を2時間も散策すると、数多くのバラを見つける…

テレビ電話とネット書店

(写真1 我が家のテレビ電話の様子=相手がスマートフォンだから画面がやや小さい) LINEとAmazon 折から続く外出自粛。車でわずか30分ほどの距離に住んでいるのだが、孫の顔も見られないとぼやくのはおばあちゃん。そこで活躍しているのは我が家ではテレ…

『感情類語辞典』

豊かな表現の手引き 感情表現のバリエーションを広げるための手引き。見出し語として130の感情語が用意されている。 それぞれについて、外的なシグナル、内的な感覚、精神的な反応、一般的に強くまたは長期的に表れる反応、隠れた感情を表すサインなどカ…

アーナルデュル・インドリダソン『湖の男』

エーレンデュルシリーズ アイスランドの警察小説である。『湿地』『緑衣の女』『声』と続く傑作揃いのエーレンデュルシリーズの4作目。 主人公は、首都レイキャビック警察の犯罪捜査官エーレンデュル。その年下の同僚であるエリンボルクとシグルデュル=オー…

一輪挿し

(写真1 このバラはとても香りがいい。摘んだときにはまだつぼみ程度だったのに挿していたら1日で大きく花が開いた) 手軽な彩りに楽しさ せっかく満開になるまで育てたチューリップの花を全部摘み取ってしまったという悲しいニュースが報じられていたが、…

沖縄本島最北端辺戸岬

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 辺戸岬の先端=1990年8月9日 ) 本土復帰を願って叫んだ岬 辺戸岬(へどみさき)は、沖縄本島最北端の岬。この岬の西側が東シナ海であり、東側は太平洋である。沖合約20キロ先は鹿児島県の与論島である。米軍占領…

岩泉線岩泉駅

シリーズ 駅 情景 (写真1 かつての岩泉駅。「乗って守ろうみんなの岩泉線」の標語が掲げられている=1992年8月14日) 廃線になった駅 岩泉駅は、岩泉線の行き止まりの終着駅だった。 岩泉線は、岩手県の北上山地の山中深く、やや沿岸寄りの路線で、…

復興のシンボル石巻線女川駅

シリーズ 駅 情景 (写真1 震災から生まれ変わった女川駅=2016年7月4日) 行き止まりの終着駅 女川駅は、東北本線の小牛田駅を起点とする石巻線の終点であり、行き止まりの終着駅である。路線距離は44.7キロ。途中に石巻駅があるが、仙台-石巻間を…

本州最涯地下北半島尻屋崎

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 寒立馬がのんびりと草を食む尻屋埼灯台=2015年7月4日) 底知れぬ寂しさを感じる岬 尻屋崎は、いつ行っても底知れぬ寂しさを感じさせられる岬だ。岬には、「本州最涯地」と書かれた大きな石碑が立っているが、…

室蘭本線室蘭駅

シリーズ 駅 情景 (写真1 かつての室蘭駅三台目駅舎=1988年9月30日) 行き止まりの終着駅 室蘭駅は、室蘭本線の、東室蘭から枝分かれした支線の終着駅。東室蘭から4駅目、7.0キロ。東室蘭を出ると列車は日本製鉄や日本製鋼などと名だたる重工業…

南部縦貫鉄道野辺地駅

シリーズ 駅 情景 (写真1 南部縦貫鉄道野辺地駅ホームに停車中のレールバス=1989年11月17日) 廃線になった駅 野辺地駅の現在は、青い森鉄道線とJR大湊線に所属するが、かつては南部縦貫鉄道の起点駅でもあった。 本屋側と反対側に南部縦貫の社…

北海道渡島半島東端亀田半島恵山岬

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 岬の先端に立つ恵山岬灯台=2011年2月11日) 灯台と温泉と素晴らしい景観 恵山岬は、北海道で、道南の渡島半島の東端、亀田半島に突き出た位置にある。この沖で海域は津軽海峡と太平洋を分かつ。 渡島半島は、…

七尾線輪島駅

シリーズ 駅 情景 (写真1 かつての輪島駅=1990年3月24日) 廃線になった駅 全国に約9500あると言われる鉄道の駅。それは単なる建物としての風景ではなく、足跡を残した一つひとつの情景として私の記憶の中にある。 輪島駅は、能登半島の西側、…

コロナ籠城陣中見舞い

(写真1 送られてきた本) 外出自粛貫徹 緊急事態宣言が発出され外出自粛で、〝コロナ籠城中の陣中見舞い〟にと友人から本がどっさりと送られてきた。 私の読書傾向を知っているから、すぐにでも手に取りたい本ばかりでこれはありがたい。 文庫本が23冊。…

ハナミズキが咲く

(写真1 咲き始めたハナミズキ) 季節がわかりにくい タケノコ(筍)が出てきた。大好物である。煮物にしていいし、タケノコご飯もいい。味噌汁の具にもいいし、焼いてもうまいらしい。 それにしても、筍は夏の季語。ちょっと早くはないか。もっとも、季語…

井上マサキ+西村まさゆき『たのしい路線図』

路線図に魅せられた男たち ただただ路線図を愛でては〝いいねぇ〟とつぶやきながら鉄道路線図の世界を紹介している。 路線図と一口に言っても鉄道会社や駅によっても描き方に随分と違いがあるが、ここでは200もの路線図や運賃表が取り上げられている。 私…

緊急事態宣言下の旅

(写真1 必須アイテム3冊=左から理科年表、時刻表、地図帳) カントの趣 緊急事態宣言が出され、外出にも強い自粛要請。旅行はおろか、映画館も、図書館も、本屋までもが休みとあって実際出かける先もないから家でゴロゴロしているが、これではいかにもつ…

九州最南端大隅半島佐多岬

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 岬の突端から沖合50メートルの小島大輪島に建つ佐多岬灯台) 岬好きにたまらない魅力 佐多岬は、大隅半島最先端にあり、九州つまり本土最南端になる。大隅半島は、鹿児島湾(錦江湾)を囲む大きな蟹の爪のような形…

横山秀夫『ノースライト』

6年ぶりの長編ミステリー そもそもは建築家冥利に尽きるとはいえ奇妙な依頼だった。 岡嶋建築事務所の一級建築士青瀬稔は、吉野陶太・香里江夫妻から住宅建築の依頼を受けた。青瀬が上尾に建てた二階家に一目惚れしたと言い、「すべてお任せします。青瀬さん…

映画『三島由紀夫VS東大全共闘50年目の真実』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 討論会のドキュメンタリー映画 過激な学生運動が吹き荒れていた1969年5月13日、東大駒場キャンパスの900番教室で行われた、作家三島由紀夫と東大全共闘との討論の模様を収録した実写映像を骨格…

春なのに

(写真1 見事に花のトンネルを作っているのに人影は少ない) 人影もまばら 不要不急の外出はするなとのお達し。もとより年寄りに要も急もないわけで、家の中でゴロゴロしている。旅に出たいと思いつつ家族から強い禁足令が出ていてままならない。今のところ…

『世界ことわざ比較辞典』

世界初の編纂 日本のことわざと世界のことわざを集めて比較した辞典。日本ことわざ文化学会編で、世界的にも前例のない辞典らしい。 日常的に使われている日本のことわざ300を見出しとし、これに世界25の地域と言語から似たようなことわざを取り上げた…

原田マハ『デトロイト美術館の奇跡』

(写真1 表紙の絵はセザンヌの「マダム・セザンヌ」) 市民が守った美術館 デトロイト市の財政破綻から危機にさらされたデトロイト美術館(DIA)が愛情深く描かれている。 デトロイト市はミシガン州にある全米第9位の大都会。もとよりGEやフォードなど…

高輪ゲートウエイ駅開業

(写真1 2階コンコースから見た高輪ゲートウエイ駅) 山手線/京浜東北線に新駅誕生 高輪ゲートウエイ駅が3月14日開業した。山手線、京浜東北線の新駅で、山手線にとっては、1971年の西日暮里駅以来49年ぶり30番目の新駅誕生である。 田町駅と品…

魅力的な車窓の肥薩線

特集 私の好きな鉄道車窓風景10選 (写真1 矢岳越えの絶景車窓。眼下にえびの高原と霧島連山が展望できる=1992年8月23日) 〝川線〟と〝山線〟異なる二つの表情 肥薩線は、熊本県の八代駅と鹿児島県の隼人駅を結ぶ路線。途中でわずかの区間だが宮…

部分復旧を重ねて運転再開した常磐線

特集 常磐線復旧への軌跡③ (写真1 原ノ町駅では前後ともに不通となり構内には取り残された特急車両。後方には普通列車車両も留置されていた) 原発事故と津波 異なる二種の被害 常磐線の復旧は少しずつ進んできた。直接の被害のあった広野-亘理間だけで1…

広野駅で線路は封鎖

特集 常磐線復旧への軌跡② (写真1 上下線をまたぐ仮設の足場によって線路が寸断された広野駅=2011年12月30日) 原発事故で寸断された常磐線 常磐線は、線区上は日暮里駅(東京都荒川区)から岩沼駅(宮城県岩沼市)を結ぶ全長343.1キロの長い…

全線で運転再開の常磐線

特集 常磐線復旧への軌跡① (写真1 全線運転再開への期待をにじませる幕=双葉駅で) 帰還困難区域を鉄道が走る 東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響から最後まで不通となっていた富岡-浪江間が復旧、常磐線は3月14日全線で運転を再開した。 復…

時刻表完全復刻版

(写真1 時刻表完全復刻版。左が1964年10月号で右が9月号=カバーは復刻版のためのもの) 1964年9月号/10月号 東海道新幹線開業当時の時刻表が刊行された。いわゆる「交通公社の時刻表」が復刻されたもので、開業時の東海道新幹線の時刻表が載…