ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

錦帯橋を渡った

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(写真1 木造アーチ橋の錦帯橋)

風情ある西岩国駅が玄関口 

 錦川鉄道錦川清流線を終点錦町で折り返した帰途錦帯橋に立ち寄った。
 山口県岩国市にあるのだが、岩国駅は山陽本線と岩徳線、錦川鉄道の接続駅であり、山陽本線の列車の大半がここで運転系統を替える発着駅でもあるから、ここでたびたび乗り換えているのだが、なぜかこれまで錦帯橋を見学する機会がなかった。

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(写真2 錦帯橋への玄関口西岩国駅)
 調べてみたら、錦川清流線を岩国に向かってくると、終点岩国の一つ手前、岩徳線西岩国駅が錦帯橋へは便利なようだ。
 降り立つと、何と立派な駅か。堂々とした駅舎である。1929年の開業で、そもそもはここが岩国駅だった。駅舎も当時からのもので、国の登録有形文化財に指定されている。洋風の駅舎で、正面は錦帯橋を模したものだという。当時は、ここが岩国の表玄関で、ここから歩いて錦帯橋に向かっており、大変な賑わいだったようだ。
 歩けば30分ほどとのこと。私はタクシーにした。そのタクシーの運転手によると、当初はこのあたりが岩国の中心だったとのこと。その名残か、狭い町域に、現在でも銀行が10もあるのだと自慢風だった。
 途中、古い街並みが続いてなかなか風情がある。城下町の街並みもこのあたりだということだった。詳しくはわからないが、西岩国駅から錦帯橋にかけては結構な観光資源になるのではないかと思われた。錦帯橋まではタクシーなら5分ほどですぐだった。
 なるほど奇橋だ。大変珍しい。5連の木造アーチ橋である。全長193.3メートル、幅員5.0メートルとあり、釘が1本も使われていないという。石積の橋脚に太鼓橋を五つ連ねてアーチ状に組んだ構造となっており、世界的に見ても珍しいもの。
 入橋券300円を払って橋を渡った。川の中央にあたる太鼓橋の部分は結構な傾斜がある。これを登ったり下ったりしながら進んでいくと、時代劇の主人公にでもなったような気分だった。
 橋の中央部分は結構な高さがあり、眼下を見下ろすと川面は澄み切った清流だ。錦川である。先ほど乗ってきた錦川清流線に沿って流れてきた川は河口近くなっても清流のままだった。釣りでもするのか、川には小舟が浮かんでいた。

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(写真3 清流錦川に小舟が浮かぶのどかな風景)