ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

根室本線西和田駅の車掌車

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(写真1 改造した車掌車が駅舎となっている。1台の自転車が駐輪されているのが不思議な風景となっていた)
シリーズ車掌車を訪ねて
 西和田駅は、根室本線のうち愛称花咲線と呼ばれる区間にあり、釧路駅から向かうと昆布盛駅と東根室駅の間にある。終着根室駅の二つ手前の駅である。
 昨2016年12月に廃駅となるまでは、東根室駅と西和田駅との間には花咲駅があった。このため、西和田駅の駅名標には、隣駅として東根室と記されてあったが、明らかに花咲の上から東根室と上書きした痕跡があった。

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(写真2 待合室の内部。掲示されている時刻表には根室行きの列車は日に3本しかない)
 この西和田駅の駅舎がヨ3500形であろう車掌車を改造したもので、待合室となっていた。もちろん車輪や台車等は取り払われて一切なく、内部も改造されてベンチが取り付けられてあった。内外観ともにきれいに塗装が施されてあって、掃除も行き届いていた。
  この清掃等は鉄道会社の者が行ったのか、あるいは近隣住民がボランティアで行っているものなのかどうか。この地方の冬季を考えると、待合室の必要性は非常に高いだろうから、どちらにしても手入れは欠かせないものなのであろう。
 駅舎の前には自転車が1台駐輪してあった。立派なマウンテンバイクで通勤者のものであろうか。もっとも、ある資料によれば、1日あたりの平均乗車人員は1名とあるから、ひょっとするとこの1名とはくだんの自転車通勤者のことであろうか。
 駅は片側1線のホームがあるだけで、周囲には人家が遠くまばらに望見できるだけで茫漠としており、真夏だというのにどこまでも静かな佇まいだった。2017年7月4日。

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(写真3 西和田駅の全景。鉄路がさびしく見える)