ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

銀座線渋谷駅新駅開業

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(写真1 新しく生まれ変わった銀座線渋谷駅ホーム。白を基調に明るい)

約百メートル移動し新築移設

 東京メトロ銀座線の渋谷駅が新しく生まれ変わった。旧駅から約百メートル移動し新築移設したもので、正月3日に開業した。
 銀座線は、日本で最初の地下鉄路線で1927年(昭和2年)の開業。浅草から上野や日本橋、銀座、赤坂見附などと都心繁華街を貫いて渋谷に至る14.3キロの路線で、渋谷駅は開業から10年後に開設された。
 新しい渋谷駅には1月7日、浅草から向かった。渋谷は地下鉄にもかかわらずそもそも新旧とも地上駅なのだが、浅草から30数分、渋谷が近づきトンネルを抜けると新駅にはすぐに到着したから面食らった。つまり、旧来は、トンネルを抜けると明治通りをガタゴトと鉄橋で渡ってホームに入っていっていた。これが、ある種、銀座線の風物詩だったのだが。
 新駅舎はとても明るい。白を基調にしていて、ホームは1面2線の島式。1番線2番線とありホーム幅は12メートルと広い。柱と梁をアーチ型に一体に組んでおり、このため屋根がM型にウエーブしている。ホーム上には柱が1本もないからとても広々と感じる。行き先案内や出口・乗り換え案内などのサイン類もスマートでわかりやすい。電車は3分間隔とひっきりなしに発着している。
 面白いのは、車体上部の行き先表示で、「浅草」の下に“1番線到着“などと浅草の到着ホーム番線が明示されていること。浅草駅は相対するホームとなっており、到着するホームによっては、乗り換え出口やエスカレータ、エレベータのあるなしなどが変わる。電車は3分間隔だから少し待っても浅草駅を使い慣れていればこれは便利。それにしても、行き先表示に到着番線までも記されているというのも珍しい。
 銀座線は全列車6両編成。東京の地下鉄の中では短いが、このためホームの長さも102メートル。
 ホームはちょうど明治通りをまたぐようにあり、手前側つまり東側は明治通り口となっており、ホームから1本のエスカレータで一直線に地上に降りることができる。3層構造のようだが、2層目には将来隣接ビルとの連絡通路が設けられるという。細かいことだが、この2層目にトイレがあった。実は、これまで銀座線渋谷駅にはトイレが一つもなかったのである。もっとも、男子用トイレには用をたせる便器は大小合わせても一つしかなかったが。スペースの関係だろうが、これはちょっとひどくはないか。
 一方、銀座線とは直角の位置関係にあるJR線を挟んで反対側の西側はスクランブルスクエアになるが、まだ、工事中の部分が残っておりちょっとわかりずらい。そもそも、旧駅舎は東急百貨店のビルの3階にあったから、とても乗降が面倒だった。

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(写真2 旧ホームが残っており、線路が奥へと引き込まれている)

 西側のホーム端に立ってみると、古いホームがまだ残っており、線路も奥まで引き込まれている。ホームはいずれ取り壊されるのだろうが、線路はそのまま使用されるのだろう。なぜならこの奥に車庫があるからで、7本の編成が留置できていた。
 なお、ホームは100メートルほど手前に移動したわけだから、銀座線の営業キロもその分短くなるのではないか。

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(写真3 東側の明治通りに面してある銀座線専用改札口)

 東側、明治通り口に出ると、明治通りに面して新しい改札口ができていた。専用の改札口は、実は、銀座線渋谷駅としては初めてのものになる。
 一方、反対側、西側からホーム全体を観察すると、ホームは明治通りに架かっていることがよくわかるし、何やら外観は丸みを覚えている。M型ウエーブの所以である。なお、ホームの屋根は工事が完成すれば東西自由通路として利用できるようになるとのこと。M型のへこみの部分が歩行者用通路になるらしい。駅舎の構造物として大変面白い利用の仕方だ。
 銀座線は地下鉄として最も早くにできた路線だから、地下は浅いところにホームがあって、利用するにとても便利。しかし、老朽化も進んでおり、このたびは浅草から乗ってきたからなおさら痛感するのだが、浅草駅も是非使い勝手を工夫し利便性を高めて欲しいものだ。

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(写真4 ホームを外から見たところ.。わずかだが外壁に膨らみが感じられる。下は明治通り