ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

文=リウ・スーユエン、絵=リン・シャオペイ『きょうりゅうバスでとしょかんへ』

台湾の絵本

 ミミとココとフェイフェイは、おはなしがだいすき。
 水曜日の午後は、町の図書館のおはなしのじかん。でも、図書館はちょっと遠くて、学校が終わってからだと遅刻しちゃう!
 でも 大丈夫!きょうりゅうバスがたすけてくれる。三人はきょうりゅうバスに乗って図書館へ。ちょうど間に合いました。きょうりゅうくんも図書館へ入ろうとしますが身体が大きくて入れません。それに、図書館カードももっていなかったのです。
 館長さんは、きょうりゅうくんをきょうりゅうバスに任命しましました。きょうりゅうバスは図書館員さんといろんな本を載せて町や村を回ります。きょうりゅうくんはこの仕事がだいすきになります。
 クレヨンで描いたような絵がとてもやさしい。自然な色遣いがのびのびしている。きょうりゅうではないが、トトロのような優しさが伝わってきて好ましかった。こどもたちが目を輝かして読んでいる様子が微笑ましかった。
 台湾の絵本とは珍しいが、友人の石田稔が翻訳していて手に取った。彼は何冊も中国の本を翻訳しているが、どれも児童書ばかり。児童書の翻訳には一般の本にはない苦労があるはずで、いかにこどもたちの読む力を引き出せるかがポイントだろう。そういった意味で、石田の日本語訳は絶妙だった。
(世界文化社刊)