ABABA’s ノート

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しずくいし夏の音楽祭東京公演2021

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(写真1 演奏開始直前の様子)

大震災から10年目のコンサート

 しずくいし夏の音楽祭とは、岩手県雫石町で毎年8月に開催されている室内楽を中心とした音楽祭で、主宰者自身「おそらく日本で一番小さな音楽祭」といいながら17年の歴史を数え親しまれている。東京公演はその演奏者たちによるもの。ただ、昨年はコロナ下のこと中止となっていたが、今年は東日本大震災から10年という節目の年にあたっていて特別に意味深いコンサートになっていた。
 演奏は、ヴァイオリン冨沢由美、同岡田紗弓、ヴィオラ臼木麻耶、チェロ西山健一、ピアノ森知英。演奏者は全員前回2019年と同じメンバーだった。
 演目は、演奏順に、モーツァルト:ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調K.493、モーツアルト:弦楽四重奏曲第16番変ホ長調K.428、ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲イ長調Op.81。
 演奏された3曲のなかでは、五重奏曲が断然印象深かった。叙情性があり、ダイナミックであり、様々な表情が見られた。一昨年のこのコンサートで演奏されたシューマンのピアノ五重奏曲のときにも感じたことだったが、森さんのピアノは五重奏曲全体をリードするような力強い印象を持った。また、第一ヴァイオリンとビオラ、チェロはいずれもベテランらしい素晴らしい演奏となっていた。ただ、第二ヴァイオリンは、楽章ごとに何度もチューニングを繰り返していて、その落ち着かなさが聞いている方にも伝わってきてどこか散漫になるところがあった。ずぶの素人ながら率直にはそう感じた。7月27日代々木上原のミューゼシードで。