ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

込山富秀『「青春18切符」ポスター紀行』

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また汽車に乗りたくなる

 JRの企画乗車券「青春18切符」のキャンペーン用ポスターの制作余話。著者はポスター制作に直接携わったアート・ディレクターで、1990年夏編から2015年春編まで、ポスターの枚数は25年74枚に上っている。
 青春18切符とは、春、夏、冬の年3回発売される企画乗車券。1982年に発売開始され、現在も続いている。5枚綴りで、普通車に限って1枚あたり1日乗り放題。学生を念頭に企画されたが、使用に年齢制限はない。
 B5判見開きの大きなページで、左ページにポスター、右に撮影地や撮影余話など解説。
 素晴らしい鉄道風景写真が多くて、激しく旅情をそそられる。写真は真島満秀あるいは真島満秀写真事務所のものが多い。ただ、こうして何枚も並べて見ていくと、構図が類型的に思われた。
 2回登場している予讃線の下灘駅などとくにそうだったが、、その後の鉄道紀行番組が参考にしたのではないかと思われる撮影地・構図がいくつかあった。
 それにしても、コピーがことのほか良かった。佐藤澄子あるいは山田のり子。写真があるからなおさらなのだろうが、いくつか拾ってみよう。
 はじめての一人旅を、人は一生、忘れない。
 ゆっくり行くから、見えてくるもの。
 思わず降りてしまう、という経験をしたことがありますか。
 ああ、ここだ、と思う駅がきっとある。
 私も鉄道好きの端くれ。徹底した乗り鉄で、JR全線を全2周もしたほどだが、本書を読んでまた汽車に乗りに行きたくなった。
 なお、本書を私は最近初めて読んだが、本書刊行は2015年だから念のため。
(講談社刊)