ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

映画『パヴァロッティ』

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(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用)

世界的テノール歌手の生涯

 世界的テノール歌手ルチアーノ・パヴァロッティの生涯(1935-2007年)が描かれたドキュメンタリー映画。実録映像と関係者へのインタビューで構成されている。
 冒頭いきなりパヴァロッティの素晴らしい歌声が響いてくる。1995アマゾンとある。ということは60歳ということか。大きな男。声量がある。高音だが、声が割れない。よく伸びているし、とにかくいい声だ。美声と言えるのではないか。
 神の声を持つ男、キング・オブ・ハイC、イタリアの国宝などと讃えられている。ハイCとは、テノールの最高音域の声のこと。映画で、男声はバリトンが普通の声で、テノール特にハイCは作り上げないと出ない声だとあった。「声こそ私の身体であり、演じた役を生み出す源だ」と語っていた。
 私は、シンフォニーやコンチェルトなどとクラシック音楽については時折コンサートに足を運ぶが、オペラについては全く関心が及ばない。ウィーンのオペラ座やパリのオペラ座などでオペラを観たことはあるものの、まあ、観光客みたいなもの。取り立ててオペラファンというものではない。
 その私だが、歌われた曲には、ラ・ボエーム、マノン・レスコーのアリア、オ・ソーレ・ミヨなどとあって、私でも知っている曲があって楽しめたし、そして何よりもパヴァロッティの見事な歌曲に感心した。
 圧巻は、三大テノールというのだそうだが、パヴァロッティに加え、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスの3人がそろって歌った場面。素晴らしい歌いっぷりにも感心したが、観客が25万人というのには驚いたし、感動した。
 それにしても、パヴァロッティが出演する舞台にはいつでも満員の盛況であることには感心した。日本では、歌謡曲やポップスのコンサートなどでは会場を埋め尽くす場面も少なくないようだが、欧米ではオペラでスター扱いになるようで新鮮に驚いた。