ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

根尾川と樽見鉄道

シリーズ 川は鉄路の友だち

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(写真1  樽見鉄道と並行して流れる根尾川)

長良川に劣らぬ清流渓谷美

 樽見鉄道は、東海道本線の大垣を出るとどこまでも北上していき樽見に至る。全線岐阜県である。全長34.5キロ、駅数は19。
 この間、およそ路線の半分ほどを走った織部から終点の樽見までの区間は根尾川と並行している。
 根尾川は、福井・岐阜県境に発し、いくつかの河川を集めて樽見付近で根尾川となり、そのまま南下して揖斐川に合流する。全長47キロ。

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写真2 大垣駅の樽見鉄道ホーム)

 樽見鉄道すなわち旧樽見線は、大垣駅6番線の端っこに特設されたようなホーム。1両のディーゼルカーワンマン運転である。
 大垣を出ると、どこまでも田畑が広がっている濃尾平野の北辺を列車は進む。途中、モレラ岐阜で通学中の高校生らがごっそり下車し、本巣では列車交換が行われた。
 このあたりから根尾川が左窓に寄り添ってくる。すでに大きな川だが、なかなかの清流で、鮎釣りの姿が多く見られる。
 神海。旧樽見線はここまでだった。継承した第三セクター樽見鉄道となって樽見までを延伸開業させた。全通は1989年。

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(写真3 列車はしばしば川を渡った)

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(写真4 渓谷が美しい)
 やがて盆地が狭まり山に分け入るようになって進む。同じ岐阜県内を流れる長良川に劣らない清流であり渓谷美である。この間、列車は川を何度か渡った。そうこうして終点樽見到着。大垣から約1時間。

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(写真5 樽見駅で折り返しの発車待つ列車)

 この駅に初めて降り立ったのは1994年6月18日だったが、その折には木造のしゃれた駅舎だった。それが、2007年4月28日に発生した火災による全焼している。不審火とみられている。次に訪れた2012年9月5日には新しい駅舎に生まれ変わっていた。駅舎はふれあいプラザという施設になっていた。
 また、駅前には、村制100周年のモニュメンが建っていた。

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(写真6 消失する前の樽見駅舎=1994年6月18日)