ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

最上川と陸羽西線

シリーズ 川は鉄路の友だち

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(写真1  第一最上川橋梁を渡る列車から見た最上川)

日本三大急流の一つ

 最上川は大河である。福島、山形県境の吾妻山に発し、山形県の東寄り中央部を北に進み、新庄付近で西に向きを変えて酒田で日本海に注ぐ。全長(流路延長)229キロ。源流から河口まで終始山形県内を流れており、一つの都道府県のみを流域とする河川としては日本最長。また、流域面積は7,040平方キロで、我が国第8位。これは山形県の面積の実に75パーセントにあたる。かつては舟運で栄えた。
 この最上川に並行する鉄道は、初め奥羽本線、途中、左沢線と続き、川が西に向きを変えると、鉄道も陸羽西線と変わる。
 ハイライトは、奥の細道最上川ラインの愛称がある陸羽西線であろう。

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(写真2 陸羽西線起点の新庄駅。新幹線と在来線が並んでいる珍しい風景)

 陸羽西線は、奥羽本線・山形新幹線・陸羽東線の新庄駅から余目駅の間を結ぶ路線。全長43.0キロ。駅数10。なお、列車の多くは余目から伸ばして羽越本線で酒田駅まで直通運転されている。
 また、新庄駅の軌間はちょっと複雑で、奥羽本線の山形方は山形新幹線との共用のため標準軌であり、奥羽本線の秋田方と陸羽東線、陸羽西線は狭軌である。

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(写真3 沿線はどこまでも見事な田んぼ)

 新庄を出ると、津谷あたりから最上川とクロスするようになる。古口を過ぎて最上川は右窓に変わる。沿線は一面の田んぼである。
 清川を過ぎると最上川はいったん離れていきやがて余目に到着する。陸羽西線の終点だが列車の多くはそのまま羽越本線で酒田へ向かう。
 羽越本線に入ってから一つ目の北余目を過ぎると第二最上川橋梁で最上川を渡る。やがて舟運の集積地でもある酒田到着となる。新庄から余目まで約2時間、酒田までが2時間半の列車の旅である。
 到着して気がついたが、日本三大急流とは、あるいは『最上川舟歌』に歌われたのはどこのあたりだったのだろうか、また、芭蕉が「五月雨をあつめて早し最上川」と詠んだのはどこの風景だったのだろうかと思ったものだった。

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(写真4 到着直前の酒田駅構内)