ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

灯台紀行:門脇埼灯台と城ヶ崎海岸

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(写真1 門脇吊橋の手前から見た門脇埼灯台)

サスペンスドラマの舞台

 城ヶ崎海岸は伊豆半島中部の相模湾に面した風光明媚な海岸。海岸線は、溶岩が海の浸食によって削られた絶壁が9キロにもわたって連なっている。
 伊豆急の城ヶ崎海岸駅が最寄り駅。駅舎はログハウス風のとてもしゃれた建物。ホームには足湯もある。海岸へは、伊豆高原別荘地を抜けていくと近道。高級な別荘が建ち並んでいて、緩やかな坂道を下っていくと約20分で目的地。
 よく整備された公園になっていて、中心は門脇埼灯台と門脇吊橋。

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(写真2 下部は展望台になっている門脇埼灯台)

 門脇埼灯台はちょっと変わった形。展望台の上部に灯台がのっているという様子。いわゆる一般の灯台のように灯台の回廊を展望台にしたと言うことではなくて、展望台へはらせん階段で昇降する。展望台の位置で高さ17メートル。灯台の頂部までなら地上24.7メートルとなる。展望台はガラス張りになっている。そばからは灯台の頂部が見えない。
 そもそもの灯台は、昭和35年に初点灯したのだが、伊東市の要望により平成7年に現在のような形に改築されたとのこと。灯台には、新旧二つの灯台の概要を記したパネルが貼り付けてあって、それによると、新灯台は塔高がやや高くなり、光達距離も伸びている。

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(写真3 展望台から見た周囲の風景)

 展望台からの眺めはとてもいい。荒々しい断崖が連なっている様子がよくわかる。よく晴れていれば、大島はもとより、遠く房総半島の洲崎までも見えるのではないか。
 すぐそばには門脇吊橋がある。観光地ということでは灯台よりも人気があるのではないか。小さな入江を跨いでいて、長さは48メートルだが、高さは23メートルもあって、がっしりしていたから揺れることはなかったが、足がすくむ人はいるかもしれない。
 このあたり一帯は、サスペンスドラマの舞台としてしばしばテレビに登場していて、このことによっても人気が高まっている。実際、吊橋から灯台を望む風景は秀逸な絵になっている。まるで毎週火曜に放送されるドラマのイントロの曲が聞こえてきそうだ。それにしても、この手のドラマのラストシーンはどうしてこうも断崖になるのであろうか。

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(写真4 絶壁を跨ぐ門脇吊橋)

<門脇埼灯台メモ>(灯台表及び灯台に貼り付けてあった銘板等から引用。括弧内は旧灯台)
 航路標識番号/2434[国際番号M6303」
 位置/北緯34度53分4秒 東経139度08分4秒
 所在地/静岡県伊東市
 塗色・構造/白色塔形
 灯質/単閃白光 毎10秒に1閃光
 実効光度/10万カンデラ(10万カンデラ)
 光達距離/18海里(17海里)
 明弧/180度~62度
 塔高/24.9メートル(17.7メートル)
 灯火標高/43.7メートル(36.7メートル)
 初点灯/昭和35年3月(平成7年4月改築)