ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

京阪 大阪京都滋賀を結ぶ

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(写真1 びわこ浜大津駅前の軌道線の様子)

近畿地方の鉄道路線⑨

 京阪(京阪電気鉄道、京阪電車)は、大きくは大阪から京都を結ぶ京阪線と、京都から滋賀へと伸びる大津線の二つの路線を持つ。
 このうち京阪線は、淀屋橋駅-三条駅間を結ぶ京阪本線と三条から鴨東線が出町柳駅まで伸び、大阪側では天満橋駅から中之島線が中之島駅まで分岐していてこれらは京阪線と総称されており、実際上もこれら各線は一体運行されている。
 8時00分発出町柳行き京阪本線特急は淀屋橋を出ると守口市、門真市、寝屋川市などと淀川の東側、つまり左岸を走りわずか22分で枚方市到着。同じホーム反対側の6番線から8時24分発交野(かたの)線私市(きさいち)行き。

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(写真2 しゃれた三角屋根の私市駅の駅舎)

 5月25日快晴。4両だが、土曜の下りだから車内は空いている。交野市を経て河内森の手前でJR片町線を跨いだ。それにしても京阪は〇〇市と市が付いた駅名が多い。ほかにも八幡市などというのもある。
 そうこうして終点私市8時38分着。きさいちとは難読駅だが、ただし、私市は市町村名ではない。三角屋根のしゃれた駅舎があったが、駅前の周辺地図によれば、大阪、京都、奈良県境が近く、ハイキングコースがあるようだった。
 折り返して京阪本線に戻り中書島で再び途中下車し宇治線に乗り換え。3番線から9時30分発宇治行き。4両。
 この間、木津川を渡り、淀川に近づき、いつしか宇治川沿いになり、六地蔵で大きく右にカーブし、そうこうして終点京阪宇治9時45分着。

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(写真3 京阪宇治駅の前にある宇治橋)

 宇治川のほとりに駅はあり、世界遺産平等院には宇治川橋を渡る必要がある。なお、JR宇治駅は宇治川の向こうで、宇治川を渡る鉄橋がすぐ眼前にあった。
 この先は、京津線に乗る予定で、当初は三条まで行き地下鉄東西線に乗り継ぐ計画だったが、中書島まで戻るよりは、六地蔵で東西線に乗り換えた方が早いととっさに判断した。
 しかし、これは失敗で、京阪と東西線とは駅名は同じ六地蔵ながら二つの駅は随分と離れていて炎天下歩かされた。事前に十分にルートは練っていたはずで、やはりとっさの変更は往々にしていい結果とはならない。
 そのことはともかく、まずは六地蔵から御陵(みささぎ)へ。ここは京阪と東西線の共同使用の地下駅で、京阪はここから京阪山科を経て京津線へと直通する。なお、東西線は京都の繁華街を抜けて太秦天神川へと至る。
 御陵10時45分発びわ湖浜大津行き。4両。発車してすぐ地上に出た。このあたりの線路はいささか入り組んでいて、山科では並んでいたJR東海道線とはトンネル内でクロスしたようだ。そうこうしてびわ湖浜大津。到着の直前に軌道敷きになった。軌道線なのである。びわ湖浜大津駅前で軌道線がT字にクロスしていた。
 ここで京阪石山坂本線に乗り換え。石山寺駅と坂本比叡山口を結ぶ14.1キロの路線で、全線で軌道線である。
 琵琶湖に面して左つまり北へ走るのが坂本比叡山口行き。左に山、右に湖という路線だが、湖はあまりよく見えない。三井寺、近江神宮前などと通った。近江神宮前駅には車庫があった。

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(写真4 坂本比叡山口のモダンな駅舎)

 そうこうして坂本比叡山口到着。モダンな駅舎があった。坂本ケーブルで比叡山に登ることができ、さらに越えて叡山ケーブルと叡山ロープウエイを乗り継いで京都側の八瀬比叡山口に下ることができる。
 ここは折り返してびわこ浜大津を経て石山寺へ。琵琶湖を西へ向かっている路線で、こっちの方が琵琶湖畔を走る風情がある。京阪膳所や京阪石山などを経て石山寺。石山寺へは徒歩10分ほどだったか、とても情緒の深いお寺。『枕草子』にも登場しているし、紫式部がここで『源氏物語』の構想を練ったことでも知られる。

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(写真5 石山寺に停車中の京阪電車)