ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

水間鉄道

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(写真1 水間鉄道終着駅水間観音駅)

近畿地方の鉄道路線①

 先週まで5月23日から27日まで4泊5日をかけて近畿地方の鉄道に乗ってきた。特に、これまで一度しか乗ったことがないような路線を選んでつぶすように乗った。結果的には、大阪から奈良、京都、滋賀、兵庫に加え三重まで2府4県に及び、JRや大手私鉄の幹線は数えずに中小線区だけで30を超えた。

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(写真2 貝塚駅の様子)

 まず水間(みずま)鉄道。南海本線の貝塚駅から水間観音駅を結ぶ路線。全線5.5キロ、駅数は10。全線大阪府貝塚市内を走る。
 5月23日。貝塚駅。南海線に隣接して1面2線のホーム。〝令和〟という新元号を祝う一日フリー乗車券の記念切符を購入した。600円。
 9時10分発。2両の電車。ワンマン運転。貝塚市役所前などとあり、家屋をかすめるように進む。枝葉に触れそうだ。近義の里を出てJR阪和線をくぐった。
 貝塚駅を含め南海線にはこの前後に岸和田駅や泉佐野駅が並んでいるが、阪和線には東佐野、東貝塚、東岸和田の各駅が連なっていて、駅名だけから判断するならどうやら南海沿線が市街中心のようで、阪和線はやや山寄り東側を走っているということのようだ。
 名越駅で列車交換した。単線なのである。なお、水間線では列車交換はこの駅でしかできないようだ。
 そうこうして終点水間観音到着。寺院風の立派な駅舎だ。1926年の全通以来のもので、現在は国の登録有形文化財に指定されている。
 そもそも水間鉄道は、水間寺(通称水間観音)への参詣路線として開設されたもので、駅から徒歩10分くらいのところ。この駅に降り立つのは二度目だが、今回は参拝しなかった。
 なお、水間鉄道は、苦い歴史を持っていて、不動産投資の失敗などで経営破綻したことがあり、現在はうどんチェーンで知られる杵屋の100%子会社になっている。南海は手をさしのべなかったものだろうか。
 ところで、水間観音駅で驚いたのは茶色い玉のようなものが多数ぶら下がっていること。聞けば、苔玉だという。また、駅舎の玄関には大きな苔玉が据え付けられてあった。何でも「苔のように贅を求めず、美しさを失わず、しっかりと路線を守っていくことをコンセプトにこめた」ということらしい。

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(写真3 苔玉が下げられている水間観音駅)