ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

源じいの森のヨ9001

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(写真1 高速貨物専用として開発されたヨ9001)

九州の車掌車を訪ねて②

 源じいの森とは、福岡県田川郡赤村にある自然公園。研修宿泊施設や温泉などがある。平成筑豊鉄道田川線に同名の駅があり、その駅から徒歩1分。
 敷地に入ると、研修宿泊施設の脇に車掌車は展示されてあった。車体はブルー。高速貨物列車のみに許された塗色である。これは、日本で初めて常用で時速100キロ走行ができる高速貨物専用の車掌車として開発されたもので、1968年に2両製作されたうちの現存する1両。

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(写真2 ヨ9001を解説する看板)

 現場には、「日本初の100㎞/hで走行ができる車掌車」との看板があり、「筑豊地区の石炭列車に連結されて活躍していました」と記載されてあった。
 ところで、笹田昌宏著『車掌車』によれば、この車両が当地に保存された当時は、車体に黄色の帯が巻かれていたようだ。これは、当初、100キロ走行車両として開発されたものの、その後の試験運転でカーブでの走行性能が基準を満たしていないところから、結局、100キロ走行はできないこととなり、65キロでの速度制限を示すために黄帯が巻かれたということらしい。
 折角、100キロ走行ができる高速貨物列車用車掌車として開発され栄光の青色塗色が施されていたものの、速度制限を示す黄帯が巻かれるという残念な運用となったわけで、そういうことでか、高速性能を必要としない石炭列車に転用されたものであろう。

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(写真3 右下は田川線の線路)