ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

島の西端に建つ城ヶ島灯台

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(写真1 城ヶ島灯台全景)

城ヶ島の灯台①

 ここのところ天候が安定していなくて泊まりがけの旅行はしにくい。それで気象情報を睨みながら晴れの日を狙って日帰りのできるところへ出掛けている。これなら、あらかじめおおよその計画は立てておくものの、当日の朝になって最終決定ができる。
 城ヶ島(じょうがしま)を訪ねた。9月18日。三浦半島には1年前にも訪れて剱埼灯台や観音埼灯台を見物していたが、その際には城ヶ島には寄っていなかった。それで今年は城ヶ島ということに。
 三浦半島は、神奈川県南東部の半島。太平洋に突き出て東京湾と相模湾を分けている。東京湾に面する東側は、横須賀や浦賀などと古くから造船や海軍で栄え、現在では半島の奥まで横浜や首都圏への住宅地が伸びている。また、西側は逗子や葉山から江ノ島などと人気の海岸が連なっている。
 城ヶ島は、半島の南端に連なってここも人気の観光地である。京浜急行で品川から終着駅三崎口まで約1時間30分。半島と島とは城ヶ島大橋で結ばれており、三崎口から城ヶ島までバスで30分弱。バスは途中、マグロで有名な三崎漁港を通る。
 城ヶ島は、半島南端の対岸に横たわるようにあり、東西に細長く菱形をしている。東西約1.8キロ、南北約0.6キロで、周囲はわずかに4キロほどの小さな島。最高標高が30メートルほどしかない。三浦市に属し、人口は600人ほどという。
 城ヶ島バス停は、島の西端にあり、バス停付近は、土産物屋や食堂が軒を並べ、船宿やホテルまである。

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(写真2 灯高は11.5メートルとやや小ぶり)

 ここから城ヶ島灯台までは歩いて10分ほど、標高30メートルほどの小高い丘の上にある。
 灯台は白堊の円塔形で、やや小ぶり。眼前に太平洋を望み、眼下には磯が広がっている。奥には房総半島が横たわっており、突端は洲崎か。景勝地であり、観光と磯遊びに人気がある。
 大変歴史のある灯台で、幕府が欧米列強と江戸条約で建設を約束した、いわゆる条約灯台8基の一つで、初点灯は1870年(明治3年)。煉瓦造だった。最初の観音埼灯台に遅れることわずかに1年半後だった。日本で5番目。設計は観音埼灯台と同じフランス人技師のヴェルニー。
 関東大震災や太平洋戦争の被災があって現在の灯台は2代目。
 この日は晴れてはいたが、連休明けの平日だったせいか、灯台には訪れる人も少なく閑散としていた。

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(写真3 眼下には磯が広がっている。奥にかすかに横たわるのは房総半島)
 
<城ヶ島灯台メモ>(海上保安庁/燈光会/日本財団が設置した看板等から引用)
 所在地/神奈川県三浦市三崎町城ヶ島
 位置/北緯35度08分06秒、東経139度36分40秒
 塗色・構造/白色円塔形コンクリート造
 レンズ/第4等フレネル式
 灯質/単閃白光 毎15秒に1閃光
 光りの強さ/31.0万カンデラ
 光達距離/15海里(約28キロメートル) 灯高/約11.5メートル
 灯火標高/約30.1メートル