ABABA’s ノート

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迎賓館赤坂離宮を見学

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(写真1 主庭噴水越しに見た迎賓館赤坂離宮)

文化的にも高い価値

 迎賓館赤坂離宮を見学した。テレビニュースに映し出される歓迎晩餐会の様子などできらびやかさは知っていたが、実際、どういう施設なのか、文化的価値はどういうものなのか興味があった。
 迎賓館とは、もとより、外国賓客の接遇施設で、世界各国の国王や大統領、首相などの国・公賓を迎えて宿泊施設としたり、首脳会談や晩餐会などに利用されている。内閣府の管理。
 そもそもは東宮御所として明治42年に建設されたもの。片山東熊を総指揮に当時の建築家・美術工芸家の総力を挙げて建設されたもので、ネオバロック様式の西洋風宮殿建築。建物は地上2階、地下1階で、幅125メートル、奥行き89メートル、高さ23.2メートル。
 東宮御所としてはあまり使用されたことはないらしいが、種々の変遷を経て、外国賓客接遇の必要性の高まりから改修が行われ、1972年に完成した。なお、本館等が明治以降の建造物としては初めて国宝に指定されている。
 迎賓館は一般公開されており、接遇に支障のない範囲で事前予約ができるほか、混雑状況に応じて当日受付も行われている。
 正門から右に回った西門から入場。手荷物検査を受けて、入場券の購入。大人千円。
 本館に入り、順路に従って進む。主な見学コースは2階。花鳥の間は、主に晩餐会に使用されるそうで、最大130人の席が設けられるとのこと。ここで注目されたのは壁にはめ込まれた七宝の飾り。実に美しいもので、涛川惣助が焼いたものだということだったが、私には七宝とは思われない見事さだった。テーブルウエアも展示されていて、大倉陶園のものだということだった。
 羽衣の間は、レセプションや会議場として使用されているとのことで、300平方メートルもあるという羽衣を描いた天井画が見事だった。
 ほかに彩鸞の間があったが、最も著名な朝日の間は修復工事中とかで見学できなかった。
 金箔で覆われ大理石がふんだんに用いられていていかにも絢爛豪華。宮殿らしいたたずまいが感じられた。特に建物の壁面や床、壁画や天井画などと美術工芸には目を見張るものが多くて感心した。なお、館内の写真撮影は許されなかった。

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(写真2 前庭(正門側)から見た迎賓館)

 館外では、主庭と前庭が公開されていた。庭から見ると、花崗岩の建物は堂々たるもので、日本の迎賓館として風格のあるものだった。ただ、比べる必要のないものなのだろうが、ヨーロッパの名だたる宮殿に比べるとちょっと小ぶりではあった。
 なお、構内でアカンサスの花が咲いていた。装飾でよく見るものだが、実際に花を見たのは初めてだった。

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(写真3 構内に咲いていたアカンサスの花。宮殿らしいといえば言える)