ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

東武佐野線

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(写真1 佐野線終点葛生駅)
両毛地方東武鉄道乗り歩き①
 群馬、栃木両県にまたがる両毛地方に展開する東武鉄道の鉄道路線に乗ってきた。
 東武鉄道は、総営業キロ数463.3キロに及び、JRを除き大手私鉄では近鉄に次ぎ第2位。12の路線を東京・埼玉・千葉・栃木・群馬の1都4県に展開している。1899年(明治32年)に開業した現在の伊勢崎線となる北千住-久喜間が始まり。古くから両毛地方での展開が多い。
 5月25日。春の一日、気象情報で晴れの日を確認して出かけた。電車に乗っているばかりの旅でも晴れている方がいいのである。家内を誘ったが、それこそ電車に乗っているばかりの旅ではつまらないといって敬遠された。ちょうどこの地域の東武鉄道路線が乗り放題の「ふらっと両毛 東武フリーパス」という便利なキップがある。
 浅草始発の伊勢崎線特急りょうもう3号を館林で下車。8時42分着。館林は大きな駅で、伊勢崎線から佐野線、小泉線が接続している。
 まずは佐野線。5番線まである館林駅で1番線からの発車。1面2線のホームだが、1番線は佐野線専用のホームで、行き止まりの形。2番線は通過できる形。
 8時54分の発車。2両編成でワンマン運転。平日の下り列車だから空いている。館林を出てすぐに右にカーブした。
 佐野線は、群馬県館林市の館林駅と栃木県佐野市の葛生駅間を結ぶ全線22.1キロの路線。館林から北へ伸びている。
  館林を出て次の渡瀬で早くも列車交換。これは、館林駅で佐野線は1線しか割り当てられていないからの運用であろう。5番線まである起点駅でこれは面白い。佐野線はかつての佐野鉄道を吸収したものだが、だからといって軽んじたわけでもないだろうが。

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(写真2 群馬-栃木県境となっている渡良瀬川)
 渡瀬を出たら渡良瀬川を渡った。両毛地方の東武線はこの先もあちこちで渡良瀬川と交わっている。この川が群馬-栃木県境である。
 沿線は全般的には農作地帯だが、工場もあちこちに点在して多く、誘致したものであろう。右窓に筑波山が意外なほど近く見えた。筑波山が遠望できるくらいだからどこまでも平坦で、関東平野の北限であろうか。
 佐野で乗客の大半が降りた。沿線の中心で、JR両毛線佐野駅と接続している。両線のホームは並んでいるのだが、改札も別だし、ホームの番号も連番にはなっていなかった。
 折り返して帰ってきてから途中下車することにしてそのまま乗っていた。
 そうこうして終点葛生(くずう)到着9時31分。ここまで所要37分。駅前には立派なお寺があるだけで、特に目を引くようなものもなかった。この葛生も終点にしては片側1線のホームがあるだけだった。どうやら列車交換はすべて途中駅で行っているようだ。ただ、かつては大きな運用が行われていたようで、構内には数多くの側線や留置線が見られた。
 佐野線はそもそも石灰石の輸送で発展したもののようで、旅客輸送は葛生駅が終点だが、葛生から先へ貨物専用の会沢線などへと伸びていたようだ。貨物輸送も盛んだった東武鉄道で最後まで残っていた貨物路線だった。
 葛生で折り返し再び佐野へ。ここで途中下車。タクシーでくるっと一回りしただけだが、古い街並みがあったりしてじっくり歩いたら風情が感じられたかも知れない。途中、有名な佐野厄よけ大師に寄った。関東三大師の一つだといい、立派な堂宇が並んでいた。街には佐野ラーメンの看板があちこちで見られた。

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(写真3 佐野厄よけ大師の本堂)