ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

フィラデルフィア散策

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写真1 フィラデルフィアの中央駅30丁目駅)
美しい古都
 ニューヨーク滞在中の一日、少し足を伸ばしてフィラデルフィアを訪ねた。私は滞在中に近隣の都市へ、ある種のエクスカーションをするのが好きで、これまでもニューヨークからワシントンへ日帰りの小旅行を何度か行ってきた。そしてその際、フィラデルフィアを通過するたびに一度は降りてみたいと念願していた。ニューヨークからワシントンへは3時間弱で、PHLは1時間30分のところである。
 ニューヨークペン・ステーションからアムトラックに乗車。アムトラック(AMTRAK=全米鉄道公社)は、全米に鉄道網を有し、ニューヨークからワシントンやボストンあるいはシカゴなどと結んでいる。ニューヨークはペン・ステーションがターミナル。
 8時05分、ペン・ステーションを出ると、ニュー・アークなどと停車していった、ニュー・アークはニュー・ジャージー州の州都であり、ニューヨーク三大空港の一つニュー・アーク空港のあるところ。乗った列車は、ノースイースト・レジオナル。東海道新幹線でいえばこだま型で停車駅が多い。ちなみに、最速ののぞみタイプはアセラ号である。ほかにも様々な列車タイプがある。
 沿線は原野を切り拓いていて、時折郊外都市といった様子の集落が現れる。林の中に家並みがあるといった佇まいだが、すっかり途切れることなく点々と続いている。どこまでも平坦で、トンネルが一つもない。たまにヴォーヴォーと警笛が鳴る。踏切だろうか、対向列車だろうか。頻繁に列車とはすれ違う。
 そうこうして9時32分フィラデルフィア30丁目駅到着。まるで地下鉄駅かバスの停留所かと見紛う名前だが、これがれっきとしたフィラデルフィアの中央駅。もっともフィラデルフィア駅というのも別にあるらしいが。到着するまでは気がつかなかったが、ニュージャージー・トランジットがここまで乗り入れているようだ。
 駅舎は、古代ギリシャ神殿を思わせる堂々たる建物。グランドホールにはジェファーソンと書かれた大きな垂れ幕。トーマス・ジェファーソンは独立宣言を起草したことで知られ、第三代大統領である。駅は都心の西はずれといったところにあるようだ。また、アムトラックでフィラデルフィが近づくと摩天楼が見えてきたが、これは都心の東はずれにあたるようだ。

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(写真2 丘の上から見たフィラデルフィアの景観)
 フィラデルフィアは、ペンシルベニア州最大の都市であり全米第五の人口を有する大都会。独立宣言が起草され、ワシントン特別区が建設されるまで首都だったこともあり、歴史ある都会である。
 駅前にスクーキル川があり、これを渡ると都心へと入っていく。都心を東西に貫く美しい街路マーケット・ストリートを進んでいくと、22丁目、19丁目などと丁目番号が規則正しく並んでおり、14丁目のところがシティホールだった。
 ここがちょうど中心のようで、さらに進むとオールドシティで、5丁目にはインディペンデンス・ホールがあった。いわゆる1776年7月4日の独立宣言記念館である。この先でデラウェア川に突き当たり、この対岸はニュージャージー州となる。
 いわゆる大学町であり、名門ペンシルベニア大学などがある。また、ジェファーソンはアメリカで大学の父と呼ばれて顕彰されているようだ。
 都心部は歩いて回れないことはないが、バスが市内要所を巡っているほか、マーケット・ストリートを地下鉄のブルーラインが通っている。ほかにオレンジラインもあったが、面白かったのは地下鉄同様セプタが運行すトロリーという乗り物。まるで地下を走る路面電車といった様相だった。郊外に出ると地上を走り、8路線があるという。

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(写真3 トロリー。まるで地下を走る路面電車だ)