ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

ニュージャージーへ

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(写真1 ホーボーケンに向かう船上から見たニュージャージー)
フェリーでハドソン川を渡る
 マンハッタン島の西の対岸はハドソン川を挟んでニュージャージー州である。特にハドソン川沿いの南一帯は、マンハッタンへの通勤圏として近年人気が高まっているところらしい。これまで東の対岸であるイーストリバーを挟んだブルックリンには何度か足を運んでいるが、ニュージャージーは初めてのこと。また、ニュージャージー側から見たマンハッタンはどういう景色なのか、強い興味があって訪ねてみた。
 マンハッタンからニュージャージーへ渡るには幾本ものルートがある。一つにはペン・ステーションからニュージャージー・トランジット(NJトランジット)があって、ニュージャージー州の州都ニューアークなどを結んでいる。これがその名の通りメインルート。アムトラックもペン・ステーションを出るとまずはハドソン川を渡る。
 他方、地下鉄同様の使い勝手の良さということではパストレインが便利。パストレインとはニューヨーク・ニュージャージー港湾公社が運行する鉄道で、地下鉄として4つの路線を有する。
 マンハッタン側には、ペン・ステーションに隣接するような位置関係にある33丁目駅とワールドトレードセンター駅の二つのターミナルがあって、ともにホーボーケンなどを結んでいる。
 一方、ずばりハドソン川の両岸を結んでいるのがニューヨークウォーターウエイと呼ばれるフェリー。もっぱら旅客用のフェリーで、私はこのフェリーでニュージャージーとの間を往復した。
 往路は、西39丁目が突き当たったあたりにあったミッドタウン西39丁目フェリー乗り場から。なお、このフェリー乗り場付近には、ウォータータクシーや観光船などの乗り場が並んでいた。
 ちゃんとしたターミナルになっていて、8つのピア(桟橋)があり、ひっきりなしにボートが発着している。朝の早い時間だったから、通勤客が次々と降りてくる。
 私は6番ピアからホーボーケン行きに乗船した。100人乗りくらいのボートで、出発すると、しばらくは川を下っていった。イーストリバーに比べると川幅が広い。だからだろうか橋を架けようとしなかったのは。この川の真ん中が、ニューヨーク州とニュージャージー州との境であるという。

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写真2 ニュージャージーの玄関口ホーボーケンの駅舎)
 15分ほどでホーボーケン到着。ニュージャージー側の玄関口みたいなところで、立派なターミナルがあった。
 ここはフェリーターミナルであると共に鉄道のターミナルでもあって、鉄道駅としては、NJトランジットの9路線のほか、メトロノース1路線やパストレインなどを含めた一大ターミナルとなっている。
 ターミナルは1907年の開業で、元々は鉄道のターミナルだったところで、古色蒼然としている。駅舎の正面にLACKAWANNAとあったのは、創業時デラウェア・ラッカワナ・アンド・ウェスタン鉄道として開業したかららしい。駅舎の左側がフェリー乗り場、正面がNJトランジットのホームだった。

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(写真3 ホーボーケンの駅周辺の美しい街路)
 駅周辺を散策してみたところ、赤煉瓦の建物が目立つなかなか落ち着いた街区が広がっていた。駅前の広場には美しい公園があって、様々な小鳥たちが餌を食んでいた。
 なお、ホーボーケンのすぐ南隣りが行政上はジャージーシティで、ニュージャージー側で新しく開けてきたところで、住宅地として人気が高く、マンハッタンへの通勤者が多いということだった。なお、ホーボーケンも含めてジャージーシティと呼ぶ向きもあるようだが、行政上は違うのだということだった。
 ホーボーケンからはパストレインで結ばれているほか、ジャージーシティからマンハッタンを結ぶフェリーも出ている。
 帰途は、NYウォーターウエイのフェリーでハドソン川を横切り、ワールド・フィナンシャル・センターフェリー乗り場に帰ってきた。まさしくWFCのまっただ中に横付けされたようなところで、所要わずか5分ほど、これなら通勤には便利すぎるほどで、近年のニュージャージーの人気ぶりがわかるようだった。
  帰途の船上から見たロウアー・マンハッタンの風景は、ブルックリン側から見るのとは違って、摩天楼が大きく見えた。

 なお、ニュージャージー州ということでは、パターソン市もそうで、映画『パターソン』の舞台となったところだが、とても印象深い映画だったし訪れてみたいとは思ったのだが、時間に余裕がなくてかなわなかった。また、来ることがあるのかどうか。

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(写真4 帰途の船上から見たマンハッタン)