ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

NYの二大ターミナル

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(写真1 グランドセントラルの豪華なグランドフロア)
グランド・セントラルとペン・ステーション
 グランド・セントラルとペン・ステーションは、ニューヨーク(NY)の二大鉄道ターミナル。どちらも発着番線数が膨大で、日本の鉄道駅では想像もできないほど巨大。
 この二つは競い合うようにあるが、まずはグランド・セントラルから。正式にはグランド・セントラル・ターミナルと称する。
 東42丁目通りに面し、パーク・アヴェニューが正面に直角に突き当たっている。列柱が建ち並ぶ荘厳な駅舎で、1871年の開業はニューヨークを代表する歴史的建造物である。
 1階のグランドフロアは、3階分にも相当しそうな天井の高い吹き抜けの巨大な空間で、星条旗が掲揚され、いかにもニューヨークの中央駅の貫禄。床や壁面は大理石である。

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(写真2 グランド・セントラルのプラットホーム。右111番、左112番の表示)
 プラットホームはすべて地下になっていて、どれほどの発着番線があるものか、順に数えていったが、途中で見失ってしまい追跡しきれなかった。後日調べてわかったが、何と44面のホームに67線を数えるということである。ちなみにこれは世界最大。しかも、地下のホームは2層になっていて、地下1階の下にさらに地下2階のホームが連なっているという具合。上階が41線、下階が26線だそうである。
 いかにもニューヨークの中央駅にふさわしい陣容だが、ここを発着する列車は実はメトロノース鉄道の近郊路線ばかりである。所属路線はハドソン線、ハーレム線、ニューヘイブン線、ニュー・カナーン支線、ダンバリー支線。
 なお、滅多に使われたことはないようだが、何とプライベートホームというのもあって、フランクリン・ルーズベルト大統領のために建設されたということである。61番線がそのホームで、このホーム線用の入り口とエレベーターが存在するらしい。
 また、地下鉄が乗り入れているが、構内には数多くのレストランやショップが入居していて、この駅を見学に来る観光客も多いらしい。

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(写真3 ペン・ステーション外観。地上はマディソン・スクエア・ガーデンの建物)
 一方、ペン・ステーションは通称で、正式にはペンシルベニア・ステーション。南北には31丁目と33丁目、東西には7番街と8番街に囲まれた広大な構内を有するが、地上にはマディソン・スクエア・ガーデンの建物があるだけで、駅舎、プラットホームはすべて地下にある。
 ニューヨークきっての繁華街であって、目の前には人気のデパートメイシーズがあり、ブロードウエイやエンパイヤステートビルにも近い。なお、私がこのたび泊まったホテルもここから近くて便利だった。
 1910年の開業で、かつてはグランド・セントラルのような駅舎があったらしいが、1962年に駅舎保存の運動を押し切って現在の駅となったようである。
 地下駅だから全容を見るのは難しいが、おびただしい数の利用者であふれかえっている。
 乗り入れているのは、近郊列車ではともにターミナルとなっているロングアイランド鉄道(LIRR)とニュージャージー・トランジット(NJトランジット)。LIRRを利用すれば、ケネディ国際空港までエアトレインとの接続ジャマイカ駅までわずか10数分である。ホテルがどこかにもよるが、空港と都心部を結ぶ最短路線である。
 また、長距離列車ではアムトラック(AMTRAK=全米鉄道公社)が全米各地と結んでいる。
 特に東海岸各都市との間は幹線で、ワシントンとは約2時間半、フィラデルフィアとは1時間強、ボストンとも3時間で結び利便性を発揮している。
 ホームの数はグランド・セントラル同様にとても多くて、30番台までは数えたが、その先は数え切れなかった。
 乗客はコンコースの電光掲示板で、自分の乗る列車の発車番線を確認する仕組み。いつものことだが、これが発車わずか10分ほど前にならないと表示が出ない。表示が出ると乗客は一斉に走ることになる。アメリカでも走るのだなと妙なことで感心した。

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(写真4 ペン・ステーションのコンコース。乗客は発車番線を知らせる電光掲示板をにらんでいる)