ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

ヒレカツの蓬莱屋

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(写真1 蓬莱屋外観)
とんかつ仲間
 とんかつ好きの仲間で年に二、三回食べ歩いている。
 今回は御徒町の蓬莱屋。台東区上野三丁目所在。御徒町駅南口徒歩1分。松坂屋の裏手あたり。
 なかなかの老舗で、東京で初めてヒレカツを出した店と言われている。
 暖簾をくぐると右手にカウンター席。奥にはお座敷もあるようだ。
 メニューを見てちょっとびっくりする。ロースはなくてヒレしかないのである。なるほどとは思う。評判通りなのだ。小津安二郎が好んだらしい。ほかにメニューは一口カツなど。
 否応なくヒレカツを頼む。同行の者三人皆同じ。カウンターの中では、親爺らしき男とその息子あるいは弟子らしき男。
 昼食にはまだ早い時間だったせいかあまり混んではいなかったが、あげるのにやや時間がかかっていた。見ていると二度揚げしているようだ。
 出てきた料理はこんがりと揚がっている。やはり二度揚げしたもののようだ。形は丸みを帯びてやや20センチほどと細長い。例えはよくないが、たくあん漬けのようだ。形だけは。
 口にしてみると、からっと揚がっている。決してべとべとしていないし、衣だけが高温で揚がったようにがさがさしているわけでもない。
 肉はとてもやわらかい。芯まで揚がっているが、堅さはない。なるほどうまい。ヒレながら肉に旨味がある。その旨味を最大限活かす揚げ方と言うべきなのだろう。
 ソースは一種類で、カツにもキャベツにも直接かけるやり方。昔ながらだがこれはこれでよい。なお、味噌汁はそばちょこのような食器で出されたのは面白かったし、味にも酒粕が含まれているように感じられた。
 ただ、私はとんかつはロースの方が好きなので、この店でロースをやったらどうなのだろうと想像してみた。材料も揚げ方もよく吟味しているようだから、これはこれでうまいものが出てくるのではないかと思われた。
 食べているうちに店は混んできた。いろいろと聞いてみたいこともあったが、忙しそうだったので遠慮した。

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(写真2 蓬莱屋のヒレかつ)