ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

讃岐平野を走る「ことでん」

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(写真1 玉藻城のすぐ脇にあることでんの高松築港駅)
性格の異なる3路線
 松山からは高松へ移動した。松山-高松間は予讃線で194.4キロ、特急列車で約2時間30分の距離である。
 松山と高松は、愛媛県と香川県、旧国名なら伊予と讃岐ということになるが、ともに県庁所在地であり瀬戸内海に面するというほかに、いずれもローカル私鉄が発達している。
 そういうことで、高松では、ことでん(高松琴平電気鉄道)の琴平線、長尾線、志度線の全線に乗った。
 起点は高松築港駅で、高松城(別名玉藻城)のすぐ脇にある。簡単な塀を隔てただけでまるで城内という位置関係である。お城に近い駅として福山城などがあるが、これほど近い駅もないものだ。昔は大きな駅ビルがあったものだったが、取り壊されて玉藻城の石垣が美しく見えるようになった。
 琴平線と長尾線が高松築港駅発着で、志度線だけは、高松築港駅から二つ目の瓦町駅発着となっている。なお、線区上は長尾線も瓦町駅が起点である。

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(写真2 金刀比羅宮への最寄り駅琴電琴平駅)
 まずは琴平線。ことでんの本線的存在で、全線32.9キロ。讃岐平野を西南へ向けてひた走る。沿線には、まるでおにぎりのような、ぼわっとした印象の優しい山がぽつりぽつりあり、ため池があって、いかにも讃岐平野という風景。
 乗って感じたことはとにかく列車のスピードが速いということ。軌間が1435ミリ(標準軌)と広いし、駅間距離も長くてスピードを出せるようだ。ただ、その分揺れがひどい。
 約1時間で終点琴電琴平到着。もとより金刀比羅宮への最寄り駅である。がっしりした瓦屋根の駅舎である。
 一方、長尾線は高松築港と長尾との間を約40分で結んでいる(線区上は瓦町-長尾間14.6キロ)。東南に向かっており、通勤通学路線だが、とにかく頻繁に停まる。駅数が多いからで平均駅間距離が1キロに満たない。
 また、志度線は東へ向かう路線で、瓦町と琴電志度間12.5キロを結んでいる。この路線も駅数が16と多く、駅間距離が短くて、平均すると0.83キロでまるで路面電車並みだ。それで、調べてわかったが、この路線はそもそも軌道線として建設されたとのこと。なお、長尾線も同様のようだ。
 瓦町駅は、ちょっとしたターミナルとなっており、3路線が合流分岐するが、志度線だけはホームが離れていて、琴平線などから乗り換えるなら5分ほどもかかるようだった。
 これも3線の生い立ちが異なるからだが、共通しているのはゲージが3線とも標準軌であること。ただ、折角の標準軌だが、長尾線と志度線は駅間距離が短くてスピードは出せていなかった。もっとも、駅数の多いことは、利用者である沿線住民にとっては便利なことと思われた。
 なお、標準軌は四国島内ではことでんだけである。

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(写真3 瓦町駅の志度線列車)