ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

金沢を南へ北へ北陸鉄道

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(写真1 石川線の起点野町駅)
石川線と浅野川線
 福井からは北陸本線で金沢へ移動した。金沢駅に降り立つと一層賑わいが増しているようだった。外国人観光客の姿も多い。
 金沢はたびたび訪れていて積極的に見物したいところもないし、雨も降っているしということで久しぶりに北陸鉄道に乗った。
 北陸鉄道は、金沢市を中心に二つの路線を運営する中小私鉄。かつては、十幾つもの路線を有し、市内電車も北鉄の運行だった。
石川線
 まずは石川線。やはり変遷の大きい路線で、かつては白菊町-加賀一の宮間を結んでいたが、初め白菊町-野町間が廃線となり、近年鶴来-加賀一の宮間が削られた。つまり、起点側と終点側で短くなったのである。
 11月29日。石川線の起点野町駅。香林坊からなら犀川大橋を渡り、西茶屋街をちょっと過ぎたあたり、奥まったところにある。バスなら5分とかからない。建物はオーバルな外観で、鉄道駅とバスの待合室を兼ねており、駅前はバスのターミナルとなっている。
 ホームは片側1線。もう1本あるのだが、まったく使われていないようだ。
 7時41分発鶴来(つるぎ)行き。2両の電車ワンマン運転。いったん新西金沢へ。発車したときには空いていたが、ここで高校生がどっと乗り込んできた。この駅は北陸本線西金沢駅との接続駅である。
 石川線は金沢平野を南下し、山の端へと向かう路線。全線13.8キロ、駅数は17である。金沢の郊外の住宅地を進んでおり、野々市工大前で高校生の大半が下車した。
 そうこうして鶴来到着。8時10分。現在の石川線終着駅である。私はこの線に乗るのは二度目だが、かつては路線はこの先加賀一の宮駅まで伸びていた。加賀一の宮駅は白山比咩(しらやまひめ)神社への最寄り駅で、なかなか風情ある駅舎だった。もう7年になるか、鶴来駅の先の橋梁が落ちてしまい、復旧には莫大な費用がかかるところから廃線に追い込まれた。

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(写真2 石川線の終点鶴来駅)
浅野川線
 鶴来から折り返し、新西金沢駅で北陸本線西金沢駅に乗り換えた。西金沢駅は高架になり真新しくなっていた。西金沢からは一駅だけ乗り金沢へ。
 金沢駅は、駅前広場に巨大な木造のアーチが組まれていて独特の景観を見せている。この広場には地下にも広場があって、この地下広場に面して北陸鉄道浅野川線の起点、北鉄金沢駅がある。石川線と浅野川線の二つの路線は同じ北陸鉄道だが、どこでも接続していないのである。
 北鉄金沢駅は、1面2線のホーム。この鉄道会社のやり方なのだろうが、折り返し列車が到着し、乗客が降り終わって発車の準備が整うまで改札は行われなかった。安全上のこともあるのだろうし、こういうやり方の駅はよくある。
 浅野川線は、金沢から北へ日本海へと向かう路線。全線6.8キロ、駅数12の短い路線である。
 9時24分の発車。2両の電車ワンマン運転。下りだし、時間も時間だから高校生の姿もなく列車は空いている。
 列車は浅野川と並行して走っている。終点内灘の手前で川を渡った。河口に近いし大河となっている。多くの漁船が係留されている。もう少し下れば金沢港である。
 そうこうして内灘到着9時41分。駅前には取り立てたようなものもなく、雨も降っているしすぐに折り返した。

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(写真3 浅野川線の終点内灘駅)