ABABA’s ノート

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京都五重塔巡り②仁和寺

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(写真1 美しい佇まいを見せる仁和寺五重塔
名刹の美しい五重塔
 四つある京都の五重塔巡り。二つ目は仁和寺。右京区所在。京都の北西に位置し、嵐電北野線の御室仁和寺駅で下車すると、正面にいかにも立派なお寺が見える。徒歩数分。
 仁和寺は、真言宗御室派の総本山で、888年宇多天皇によって完成した。宇多天皇は出家し宇多法王となって寺内に御座所(御室)設けたところから御室御所とも呼ばれた門跡寺院で、大変格式が高い。世界文化遺産に登録されている。

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(写真2 京都三大門の一つ巨大な二王門)
 まず正面にあって見上げるように高いのが二王門(重文)。知恩院の三門、南禅寺の三門とともに京都三大門の一つに数えられる。同時期に建立された知恩院や南禅寺の三門が禅宗の様式が見られるの対し、仁和寺の二王門は純和様とされるが、いずれにしても高さ18.7メートルと巨大で、左右に金剛力士像が睨みを利かしている。
 入ってすぐ左が塀に囲まれた御殿になっており、勅使門や宸殿などを見るといかにも宮廷風である。
 まっすぐ進むと中門があり、伽藍中心部へを入っていくとすぐ右手に五重塔(重文)。1644年の建立で、三代将軍徳川家光の寄進による。高さは36.18メートル。
 すっきりした美しい佇まいだ。これは、屋根の大きさが下から上までほぼ均一な造りで、醍醐寺のように下から上に少しずつ小さくなっていくいわゆる逓減されていないからだろう。
 塔をぐるっと一周してみたところ、初層正面に梵字の額が掲げられていたが、これは大日如来を示すものだという。
 五重塔の向かいが観音堂だが現在は修復工事中で、まっすぐ進むと金堂(国宝)に突き当たった。慶長年間造営とされる御所の紫宸殿を移築したもので、現存する最古の紫宸殿ということである。こういうところにも、門跡寺院の中でも最高位だったという格式が知れるのだった。堂内には本尊である阿弥陀三尊像(国宝)が安置されているということだったが、直接には拝めなかった。

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(写真3 御所の紫宸殿を移築したものだという国宝金堂)