ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

嵐電でぶらり京都観光

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(写真1 嵐山駅で発車を待つ嵐電電車)
京都唯一の路面電車
 京都を都心から洛西にかけてぶらつくには嵐電(らんでん)が便利だ。
 嵐電とは、京福電気鉄道の嵐山線の愛称で、四条大宮を起点に嵐山との間を結ぶ全線7.2キロの嵐山本線と、帷子ノ辻で分岐して北野白梅町に至る3.2キロの北野線で構成される。なお、嵐電は西大路三条駅-山ノ内駅間などが併用区間となっている京都で唯一の軌道線(いわゆる路面電車)である。
 嵐電には、線区上は終点になる嵐山から乗った。10月25日。嵐山駅は、渡月橋にも近く嵐山観光の中心に位置しており、周辺は観光客で大変な賑わい。目の前は世界遺産天龍寺である。
 ホームには1両の電車。混雑時間帯には2両運転もあるようだ。車体は赤紫色で、嵐電カラーのようだ。ホームの端には足湯があって、高校生が足を浸けていた。私は手を入れてみたがぬるかった。
 列車は約10分間隔の運転。発車してすぐに嵐電嵐山。かつて嵯峨駅前といっていたようにJRの嵯峨嵐山駅やトロッコ嵯峨駅にもすぐ。
 鹿王院、車折神社、有栖川と続き帷子ノ辻。北野線の分岐駅で、嵐山から北野白梅町への直通運転はないようで、北野線はここから北野白梅町との間の区間運転である。
 ここで北野線へ乗換。すぐに撮影所前。太秦(うずまさ)の東映太秦映画村の最寄り駅で、昨年開設されたばかりの新しい駅。
 常磐、鳴滝、宇多野と続き次が御室仁和寺。世界遺産仁和寺は駅歩すぐで、かつては単に御室(おむろ)駅と名乗っていたが、仁和寺が世界遺産に指定されたところから駅名を変更したようだ。このほかにも嵐電では駅名を変更したところが多く、新駅の開業も含めて観光路線としての位置づけを強化したもののようだ。そのせいか、平日の日中ではあっても、乗降客が多く全線どこまで乗っていても乗客でほぼ満席である。
 次が妙心寺で、ここも大きなお寺。たしか塔頭が100もあったはずだ。続いて龍安寺となり、ここも世界遺産である。とにかく世界遺産に限らず名刹古刹が続くから、乗り降り自由な一日乗車券(500円)は必携である。
 等持院を経て終点北野白梅町。駅前には西大路が走り、少し北へ登ると世界遺産鹿苑寺(金閣寺)である。なお、かつては北野線はこの西大路を横切っていたはずで、終点は北野天満宮の脇だったと記憶している。
 なお、乗っていて気がついたが、この北野線の区間は全線専用軌道だった。また、列車は沿線の住宅地をかすめるように走っている。また、帰途気がついたが宇多野-鳴滝間はびっしりと桜並木となっていて、春には桜のトンネルとして人気がある。

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(写真2 住宅をかすめるように走る嵐電。いかにも路面電車の風情。運転席は中央にある)
 いったん折り返して帷子ノ辻で再び嵐山本線に乗り継いだ。
 次の太秦広隆寺駅と蚕の杜駅の前後は一般道路との併用区間となっていたほか、嵐電天神川を経て次の山ノ内駅から西大路三条駅の区間は併用区間が続き、いかにも路面電車の様相。
 ここでほぼ直角に右折し左折して四条通へと入り、西院を経て終点四条大宮到着。目の前が阪急の四条駅で、乗り換えれば烏丸から河原町へ繁華街へと続く。
 途中下車を繰り返していたので正確なところはわからないが、駅間距離が1キロ未満のところが大半だし、所要時間は嵐山本線が25分、北野線が20分程度ではなかったかと思われた。

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(写真3 大半は専用軌道だが一部区間は併用軌道となっている。西大路三条駅付近)