ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

秋田内陸縦貫鉄道149分ひたすら

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(写真1 沿線には美林が続き、時には鬱蒼とした杉林のトンネルまで出てくる)
出羽山地を縦断する長大路線
 このたびの東北地方鉄道旅。青森県からは秋田県へと移動した。弘南鉄道大鰐線を終点まで乗った後は奥羽本線で鷹ノ巣に向かった。
 秋田県の第三セクター鉄道その1
 秋田内陸縦貫鉄道は第三セクター鉄道で、奥羽本線と接続する鷹巣駅(JRは鷹ノ巣駅)から、秋田新幹線と接続する角館駅間を結ぶ全線94.2キロの長大路線。旧国鉄の阿仁合線と角館線に加え、建設中だった鷹角線を合わせて引き継いだ。なお、旧国鉄などを継承した第三セクター鉄道としては、営業距離はこの秋田内陸線が最も長く日本一である。かつては、池北線を転換した北海道ちほく高原鉄道の140.0キロなどというものがあったがその後廃線となっている。

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(写真2 秋田内陸線鷹巣駅は木造のがっしりした駅舎)
 6月29日。鷹巣駅。奥羽本線からの乗り換え時間が4分しかなくてちょっと慌ただしかったが、鷹巣駅の外観を見に走った。木造のがっしりした立派な駅舎だった。これから林業地帯を走るぞという風格が感じられた。
 10時34分の発車。阿仁合行き。1両のディーゼル列車ワンマン運転。乗客はボックス席に一人の割合で、お年寄りばかり。だからだろうが、少々訛りがきつい。これはこれでいかにもローカル線に乗っているという風情があってうれしいことではある。
  発車して間もなく大河を渡った。米代川であろう。車窓は左右どちらを見ても杉の美林である。時には杉林のトンネルのようなところも走る。製材工場があったりして、林業が主要な産業であることを教えてくれる。
 車内放送は、日本語に加え、英語、韓国語、中国語と続く。この4元アナウンスは近年どんなローカル線に乗っていても聞かれることではあるが、しかし、沿線におよそ観光地らしきところが見当たらないようなこの秋田内陸線でこのサービスは果たして必要なものかどうか。
 小さな盆地が点々と続き、そうこうして阿仁合11時29分着。沿線随一の町で、駅には留置線が並んだ大きな構内があり、三角屋根の駅舎があった。大半の列車がここで乗り継ぎとなり、乗ってきた列車もここで角館行きに乗り継いだ。わずか2分の待ち合わせ11時31分の発車。
  阿仁合の次の荒瀬を出てすぐに鉄橋を渡った。阿仁川に架かる大又川橋梁というらしく、橋桁の高い橋梁だった。すぐに並行して道路橋が一段と高いところを走っていた。その分谷が深くなったということ。
 笑内(おかしない)という面白い名の駅があり、比立内では列車の交換が行われた。反対側にやってきたのは急行鷹巣行きとあった。
  阿仁合から乗ってきた車内販売。弁当やジュースなどを売っていて、リンゴジュースは車窓に見えているりんごから絞ったものだと聞かされるとつい買ってしまう。
 この車内販売の女性はサービスがよくて、沿線ガイドもやってくれる。~内(ない)と内の付く地名が多いが、この内とは川のことだという。また、秋田内陸線の沿道では100キロマラソンをやっていて全国から注目されているとのこと。
 続いて阿仁マタギ。マタギのふるさとだといい、等身大の大きな木造の全身像が飾ってあった。
 盆地が広くなったと感じたら終点角館だった。13時03分到着。鷹巣から何と2時間29分も要した。阿仁合での乗り継ぎ時間を引いても147分である。角館は秋田新幹線との接続駅で、武家屋敷などがあって人気の観光地である。

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(写真3 沿線随一の町阿仁合駅に到着する列車)