ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

碓氷峠鉄道文化むら

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(写真1 動態保存されているヨ8000形車掌車ヨ8841。EF63に連結されて運転されることもあるという)
シリーズ車掌車を訪ねて
 体験型鉄道テーマパークである。信越本線横川駅に隣接した横川運転区跡地にある。信越本線はかつては高崎駅から直江津駅を経て新潟駅に至る長大路線だったが、新幹線開業に伴う並行在来線の措置によってずたずたに分断され、横川駅-軽井沢駅間も廃止となっている。
 碓氷峠鉄道文化むらは、この現在の横川駅の軽井沢方にあったかつての横川運転区跡地にあった。高崎駅から電車で30数分、横川駅で下車するとここで現在の信越本線の鉄路は無残にも途切れていた。5月8日平日の昼下がりのこととて、名物の釜飯の販売もなくやや寂しい。
 目当てのテーマパークは駅からすぐのところに隣接していて、煉瓦造連続アーチ橋を模したゲートをくぐると、広大な敷地が広がっていた。ゲートのそばにアプト式ラックレールが展示されているのもいかにも碓氷峠らしいところで、189系特急あさま号の先頭車両が展示されていた。
 正面には鉄道展示館の大きな建屋がある。これは1997年(平成9年)の廃線時まで使われていた検修車庫をそのまま公開しているのだそうで、内部にはEF63やEF62電気機機関車が展示されていた。また、その隣にはアプト式電気機関車ED42が展示されていた。
 さらにその先は屋外展示スペースとなっていて、おびただしいほどの車両が展示されている。旧国鉄時代に活躍した貴重な車両が常設展示されていて、特に電気機関車が多い。おそらくわが国電気機関車の歴史が概観できるのではないかというほどの充実ぶりだった。
 これほどに電気機関車がかくも多く集められている博物館もないものと思われるが、これはこの鉄道文化村開設以前からJR東日本が意識的に収集してきた結果のようである。

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(写真2 ヨ3500形車掌車3961)
 ところで肝心の貨車に関する展示は極めて少ない。車掌車については2両が展示されていた。
 1両はヨ3500形車掌車ヨ3961で、展示館のそばに留置されて展示されてあった。碓氷峠専用車掌車だったらしく、その後はED42の抵抗器車両として使われていたとのこと。きれいに塗装が施され保存状態は良好だったが、内部の設備は撤去されていてがらんとしていた。資料に1952年国鉄多度津工場製造とある。
 もう1両はヨ8000形車掌車ヨ8841で、これはEF63と同じ線路上に並んで留置されていた。ただ、これには近寄ることができなくて、塀の外の一般道路からのぞき込むように観察しなければならなかった。もちろん内部などのぞき見ることすらできなかった。
 なお、EF63は碓氷峠専用の電気機関車で、この日も試験運転が行われていた。体験運転ができる機関車として人気があるが、イベントによってはEF63にヨ8841を連結して運転されることもあるようだ。

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(写真3 場内では数多くの電気機関車が展示されている)