ABABA’s ノート

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書皮友好協会監修『日本のブックカバー』

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ブックカバーへの熱い思い
 ここでいう書皮とは、書店で本を購入するとかけてくれるブックカバーのこと。中国語では本の表紙を表す。『広辞苑』にはあったが、載っていない国語辞典や漢字辞典の方が多く、まだ馴染みは薄い。
 この書皮に魅入られた愛好家たちが集っているところが書皮友好協会というらしい。書皮という言葉については知っていたが、その愛好者の集まりがあるということは知らなかった。発足して30年にもなるらしい。
 本書は、この書皮協(勝手にこう略させてもらった)のメンバーが集め整理したブックカバーが350枚もカラーで紹介されている。
 一口にブックカバーといっても、全国の書店には随分と多種多様なものがあるものだ。動物を描いたもの、イラストをあしらったもの、文字で表現したもの、中にはサツマイモの写真をカバーいっぱいに大きく埋めたものなどもある。地図を載せたものや、時刻表を載せたものまであるのには驚いた。
 私も本好きだからブックカバーは気になる。さすがにカバーの好きずきで書店を選ぶようなことはないが、気に入った店とそうでもないところはある。
 日頃利用している書店は、秋葉原では書泉とジュンク堂、東京駅・日本橋周辺では八重洲ブックセンターと丸善日本橋本店、神保町界隈で三省堂本店と東京堂。それに自宅周辺では紀伊国屋というところ。
 カバーで気に入っているのは丸善と紀伊国屋。つるつるせずがさがさするのがかえって手に馴染みがいい。また、カバーもサイズに余裕があるからはがれにくい。この2店のカバーはデザインもシンプルで飽きない。だから、私の場合は、デザイン性よりも使い勝手で選んでいるのかも知れない。
 まるで表紙カバーを掛け直すようにぴったり合わせてきちんとカバーを掛けてくれるのは東京堂とジュンク堂。なかなか丁寧なことだし、これもずるずるしなくて読むには最適。ただ、表紙カバーがすっかり隠れてしまっているから、表紙カバーや帯をじっくり見るのは読み終えてからということにはなる。
 書泉のものは紙質も上等でデザインも悪くはないのだが、いかんせんカバーの長さ方向が短い。だからカバーがすぐにはずれしまいやすい。
 また、カバーはしゃきっと掛けて欲しいのだが、この点ルーズなのが八重洲ブックセンター。紙質のせいでもあるが、本のサイズにカバーが合っていないことがたびたびで、はなはだ不愉快。この本のサイズにカバーのサイズを合わせないということでは八重洲ブックセンターはその最たるもので、店員のしつけが悪いのかもしれない。(グラフィック社刊)