ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

秩父鉄道車両公園

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(写真1 三峰口駅構内。転車台の右が貨車が並ぶ秩父鉄道車両公園)
シリーズ車掌車を訪ねて
 秩父鉄道三峰口駅構内に隣接してある。埼玉県秩父市所在。
 秩父鉄道は、埼玉県の北央部から南西部に向け羽生駅から三峰口駅を結ぶ路線(秩父本線)。途中、熊谷や長瀞などを経由し全線埼玉県下を走る。全線71.7キロ。ほかに同社としては貨物線の三ヶ尻線7.6キロを有する。なお、西武鉄道の終点西武秩父駅と秩父鉄道の御花畑駅とは徒歩で連絡できる。
 三峰口駅は、秩父本線の終点。御花畑から20分ほど。秩父連山の懐へと入っていくように到着する。車両公園は、駅構内の裏手に設置してあった。改札口からは駅構内のはずれの踏切を渡って裏手に回る。年中無休。入場無料。
 展示は、静態保存で、全10両。5両ずつ2本の線路に分けられている。中間に転車台があり、SL列車の機関車回転に使用されている。

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(写真2 独特の構造が面白いヨ15車掌車)
 まず、入口に近い1列目。貨車がずらり並んでいる。ワキ824、テキ117、スム4023、トキ502などと希少なものが多い。
 そして5両目がヨ15車掌車。そもそもはヲキ1形緩急車の改造車で、説明板によると、2軸ボギー車とあり、製造は汽車会社で、大正14年製造、昭和43年改造とある。独特の構造をしていて、荷台が広く車掌室はまるでとってつけたように小さくていかにも緩急車の様相。影森-秩父間のセメント原石輸送に活躍したとのこと。
 転車台を挟んで奥の2列目。デハ107とクハニ29電車、デキ1電気機関車などとあって最も奥の5両目がワフ51。ワフ50形2軸有蓋緩急車である。昭和38年日本車輌の製造で、スム車を改造し緩急車とした。
 展示両の大半には内部も見学できるようになっていて、ワキ800形2軸ボギー有蓋貨車やトキ500形2軸ボギー無蓋貨車などその広さにはちょっとびっくりするくらい。また、すべての車両に解説の立て札立ててあるのも親切。秩父鉄道は、そもそも石灰石の輸送を目的に貨物事業が盛ん。現在も太平洋セメントが筆頭株主である。そういうこともあって車両公園の展示にも貨車が多いのだろう。
 訪れた日は錦秋の日曜日。三峰口駅は三峰山への登山客で大変な賑わい。なお、この日は秩父へは家族連れで泊まりがけで出かけたのだが、途中、一人抜け出して貨車の見学などに出かけたものだからひどくひんしゅくを買った。もちろん、事前に誘ったのだが、誰の賛同も得られなかった。

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(写真3 ワフ51 2軸有蓋緩急車)