ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

世田谷公園の鉄道車輌展示

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(写真1 世田谷公園に連結して展示してあるD51形蒸気機関車とヨ5000形車掌車)
シリーズ車掌車を訪ねて
 世田谷公園は世田谷区池尻一丁目所在の区立公園。最寄り駅は田園都市線池尻大橋駅だが、歩くと20分近くもかかり、渋谷駅からのバスが便利。東急バス渋31系統自衛隊中央病院入り口下車すぐ。バス10数分。
 なかなか大きな公園で、園内では子どもたちのためのミニSL列車も運転されているようだった。車掌車の展示は公園の正面入口からはちょうど反対側にあって、大きな噴水のある池を迂回するように歩いた。
 展示は、蒸気機関車と車掌車が連結されて行われていた。展示にはホームまでしつらえてあった。都内で見られる車掌車として貴重な存在であり、しかも蒸気機関車と連結展示されているのもうれしいこと。塗装など手入れも良いようで、立派な展示だった。
 蒸気機関車はD51272号機。銘板によると、昭和十四年 川崎車輌 製造NO.2150とあり、ほかに換算両数に積車12.5、空車9.0の表示も。当然、テンダー(炭水車)が付いている。通称デゴイチで親しまれるD51形蒸気機関車は1115両もあったらしいから、この機関車は車両番号からすると古い方だろう。

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(写真2 車掌車ヨ14740号車。連結後部から撮影した)
 また、車掌車は車体表示によれば車両番号ヨ14740とあり、形式はヨ5000形とある。なお、10000番台ということはヨ3500形の改造車ということであろう。
 ほかに、車体下部には白ペイントで四角い枠内に「61-4 58-4 高砂工」と3段に表示されているから当時の国鉄高砂工場製造あるいは改造と読んでいいものであろうし、別に、やはり四角い枠内に3段に「61-4 59-10 岡山区」とあるのは岡山客貨車区配備と読んでいいものであろう。
 車内には入れなかったが、デッキからのぞき込んだところ、長テーブルに椅子が3脚取り付けてあり、ほかに長椅子やだるまストーブなどもきちんと整ってあり、保存状態は良いように思われた。
 なお、訪れた日は朝から雨模様だったのだが、現地に着いたら幸い雨も上がっていた。ただ、展示はフェンスに囲まれており、鍵がかかっていて近づけない。それで、公園の管理事務所(世田谷サービス公社)で尋ねたら、雨の日は(滑ったりして危ないので)閉鎖しているとのこと。しかし、遠くからわざわざ来たのだからと無理を言ってお願いしたら快く開けてくれた。お役所仕事とは思えないサービスぶりで感心したしありがたかった。

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(写真3 ヨ5000形車掌車内部。デッキからドア越しにのぞいた)