ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

九州最東端鶴御崎(大分県佐伯市)

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(写真1=200メートルもの断崖絶壁の上に建つ鶴御埼灯台)

 

豊後水道を望む要衝の岬

 九州を鉄道で巡る岬への旅2日目の続き。初めの佐賀関半島関埼灯台からはそのまま続けて鶴御崎を訪れた。
 7月23日。関崎から向かうと、臼杵湾、津久見湾、佐伯湾と跨いでいくこととなり、このあたり大小数多くの岬が点在している。
 その中で最も鋭く豊後水道に突き出ているのが鶴御崎(つるみざき)。九州最東端である。
 鶴見半島全体を一つの岬と表現してもよいほどに細くくねくねした岬が尾根伝いにどこまでも伸びていて、付け根にあたる佐伯市街から1時間もの道のりだった。
 ただ、途中の道路もよく整備されているし、灯台周辺は公園として整えられている。駐車場には九州各地のナンバーをつけた自動車が4台訪れていた。陽光がまぶしくて、沿道にはキョウチクトウの赤い花が満開だったし、ハイビスカスの大きな花も見られた。

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(写真2=白色塔形の鶴御埼灯台)
 鶴御埼灯台は、岬の先端、海抜200メートルの断崖絶壁の上にあった。塔形をした白色の灯台ですらりとしている。灯高14.5メートル、灯火標高197メートルで、座標は北緯32度55分59秒、東経132度4分59秒とある。関埼灯台と比べ、緯度で約22分、経度なら約10分ほどの違い。初点灯は1981年と比較的新しい。なお、こうした灯台の概要は、灯台に設置してある表示板の標記に従っている。燈光会という公益法人が立てているもので、全国の大方の灯台には付属しているが、稀にない場合もある。
 灯台からの眺めが実に素晴らしい。豊後水道を眼下に大海原が遮るものなく広がっている。私流のいつもの表現なら両手を広げて余るほどだから240どものパノラマで絶景である。私はここを訪れたのは初めてだが、関崎と優るともとらない絶景ぶりだった。
 灯台は、鶴御崎海軍望楼の跡地に建てられたもののようで、その遺構があった。また、この辺り一帯には戦時鶴御崎要塞として砲門がしかれていたとのことである。豊後水道をにらむ要衝だったのである。
 灯台を少し下ったところに灯台記念館があって、沖合水ノ子島にある水ノ子島灯台などが紹介されていた。なお、九州最東端は本土としてはこの鶴御埼灯台だが、離島も含めると水ノ子島灯台ということになる。

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(写真3=海軍望楼跡地に立つ鶴御埼灯台)