ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

あこがれの車掌車

 

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(写真1=真岡鐵道真岡駅に併設された鉄道博物館SLキューロク館に展示されている車掌車ヨ8000形)

 

究極の移動する書斎
 車掌車とは、貨物列車の最後尾に連結されている車掌が乗務するための業務用車両のこと。なお、貨物は積載しないこととなっていて、車掌車に貨物も積載する併用タイプは緩急車と呼ばれて区別されている。
 この頃では、この車掌車を見かけることはなくなっているが、これは1985年に貨物列車の車掌乗務が原則廃止となったためだで、常務車掌は車両の切り離しや緊急時のブレーキ操作なども行っていたらしい。
 私はこの車掌車に非常なるあこがれがある。つまり、この車掌車を書斎代わりにしてはどうかというのである。なお、このアイデアは、関川夏央『家はあれど帰るを得ず』(文春文庫)から得た。
 車掌車には、一般的なヨ8000形の場合、机や長椅子、だるまストーブ、トイレなどが設備されているが、私は中古の車掌車を購入して専用とし、この車掌車を貨物列車の最後尾に連結してもらい、貨物列車の赴くところ一緒にふらりふらり全国各地を旅して歩きたいのだが、これぞ極上の旅であろうし、究極の移動書斎であろう。

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(写真2=ヨ8000形車掌車車内。SLキューロク館で)

 それで、JR貨物に電話して、車掌車の中古車両を販売していないかと問い合わせたところ「それはやっていない」とすげない返事だった。なお、コンテナの中古販売は行っているようで、同社のホームページに営業案内が載っていた。
 しかし、全国各地の公園などには車掌車が展示されているところもあるし(世田谷公園など)、また、宗谷本線勇知駅のように車掌車を駅舎として利用しているところもあって、もうちょっと研究してみたい気はあるのである。

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(写真3=ヨ3500形車掌車を駅舎として再利用した宗谷本線勇知駅。2016年3月28日)