ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2017-01-01から1年間の記事一覧

三浦千波展

(写真1 作品を前に三浦千波さんと展覧会の様子)明るくなった画風 三浦千波は、ベテランの域に入ってきた実力派の洋画家。力強いタッチに豊かな色彩で知られ人気が高い。 この三浦千波の個展が銀座の兜屋画廊で昨日1日から開かれている。 会場に足を踏み…

嵐電でぶらり京都観光

(写真1 嵐山駅で発車を待つ嵐電電車)京都唯一の路面電車 京都を都心から洛西にかけてぶらつくには嵐電(らんでん)が便利だ。 嵐電とは、京福電気鉄道の嵐山線の愛称で、四条大宮を起点に嵐山との間を結ぶ全線7.2キロの嵐山本線と、帷子ノ辻で分岐して…

京都観光人気第一位

(写真1 伏見稲荷の名物千本鳥居。おびただしいほどの朱色の鳥居が回廊となっている)伏見稲荷に詣でる 京都はたびたび訪れているし、今さら見ておきたいところも少ないし、同行者の体調も考慮して市街中心をのんびりと巡った。 そういう中で家内共々一致し…

特別展覧会「国宝」

(写真1 国宝展が開催されていた京都国立博物館平成知新館)京都国立博物館開館120周年記念 先週は京都に旅行したが、この国宝展を見るのも大きな楽しみだった。 実に200件を超す国宝が展示されていていかにも豪華。美術工芸品で国宝に指定されている…

不動まゆう『灯台はそそる』

灯台に寄せるほとばしる愛情 著者は灯台女子であり灯台マニアだと自ら名乗っているが、いやはや灯台に寄せるほとばしるほどの愛情が素晴らしい。灯台に関する知識も深くて、ちょっと古い表現になるがまるで灯台博士だ。 内容的には、灯台マニア養成講座であ…

特別展「運慶」

(写真1 特別展「運慶」の会場入口の様子)傑作が揃い圧巻 興福寺中金堂再建記念特別展として東京国立博物館で開催されている。 東大寺南大門の入口で睨みを利かせている金剛力士立像吽形・阿形2躯で親しまれ日本でもっとも著名な仏師であろう運慶の傑作が…

映画『ドリーム』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用)感動的な映画 実に感動的な映画だった。いい映画を観たという満足感が強かった。 人種差別が取り上げられているのだが、今さらというところが微塵もないし、エピソードが巧みでまったく陳腐化されていない…

足立美術館

(写真1 足立美術館の庭園)庭園が評判 足立美術館は、島根県安来市にある地元出身の実業家足立全康が創設した私立の美術館で、現在は公益財団法人足立美術館が運営している。山陰本線の安来駅から無料のシャトルバスが運行されており所要約20分。美術館…

島根県立美術館

(写真1 宍道湖に向け大きく開口したロビー) 三拍子揃った魅力 魅力は三つ。一つ目はもとよりコレクションで、ロケーションが二つ目、三つ目は運営内容。全国の公設美でこの三つが揃ったところも珍しいのではないか。全国の県立美術館の大半を見たことがあ…

出雲路を走る一畑電車

(写真1 北松江線と大社線が接続する川跡駅の様子。左から松江しんじ湖温泉行き、出雲大社前行き、電鉄出雲市行きの各線)島根県のローカル私鉄 一畑(いちばた)電車とは、島根県東部の私鉄。北松江線、大社線の二つの路線がある。北松江線は電鉄出雲市と…

池田学展

(写真1 「誕生」を前に会場の様子)超緻密なThe Pen 超緻密な画風で知られる池田学の展覧会。The Pen-凝縮の宇宙との副題が付いているが、まさしく壮大なスケールで描かれた圧倒的宇宙観だ。 「けもの隠れ」「ブッダ」「領域」「興亡史」「予兆」などと順…

出雲大社に詣でる

(写真1 出雲大社拝殿。大きな注連縄が特徴だ)往時を偲ばせる旧大社駅 出雲日御碕灯台を訪ねた際出雲大社に詣でた。 出雲大社は、かつて唯一大社を名乗ることのできた格式の高い神社なそうで、戦後あちこちの神社で大社と名乗ることに現在でも不快感を隠さ…

境線で行く地蔵崎と美保関灯台

(写真1 美保関灯台。手前の建物が現在はビュッフェになっているかつての吏員退息所)島根半島 岬と灯台巡り② 島根半島の西端にある出雲日御碕灯台を見学した翌日は半島東端に位置する地蔵崎の美保関灯台を訪ねた。 岬への起点は米子駅。山陰本線の主要駅で…

日本一背の高い出雲日御碕灯台

(写真1 すらりと日本一背の高い白亜の出雲日御碕灯台)島根半島 岬と灯台巡り① 先週は出雲に旅行した。島根半島の岬と灯台巡りが楽しみ。 島根半島とは、日本海に面し東西に長く横たわる半島で、南側は宍道湖であり中海である。東西に65キロ、南北はとこ…

中村元『水族館哲学』

独自視点で水族館の魅力掘り起こす 著者は水族館プロデューサー。サンシャイン水族館などを手がけたらしい。 その水族館を知り尽くした著者が、全国の主だった水族館を紹介しているのだが、その視点が極めて独特。それは、水族館は単に子どもの教育や魚マニ…

八甲田丸の車掌車

(写真1 八甲田丸の船内に保存されている車掌車ヨ6798)シリーズ車掌車を訪ねて 青森駅で連絡橋を渡っていると、長いホームの先に並行するように大きな船が見える。かつての青函連絡船八甲田丸で、現在はメモリアルシップとして海上博物館となっている…

東京湾の玄関観音崎灯台

(写真1 東京湾を照らす観音埼灯台)三浦半島 岬と灯台巡り② 剱埼灯台に続いて観音埼灯台を訪ねた。 京浜急行を三浦海岸駅から堀ノ内駅まで戻り、乗り換えて浦賀駅で降り立った。なお、品川方面から来て堀ノ内-浦賀間はわずかに3.2キロ、間に二駅があるだ…

浦賀水道の入口剱埼灯台

(写真1 三浦半島の東南端に立つ剱埼灯台)三浦半島 岬と灯台巡り 先日のこと、三浦半島の岬と灯台巡りを楽しんだ。何度も行っているしわざわざ出かけるほどの距離でもないが久しぶりではあった。 三浦半島は東を東京湾、西を相模湾に面し、東京から電車で…

画期的なクローン文化財

(写真1 クローン文化財として再現された法隆寺釈迦三尊像)藝大が失われた刻の再生 上野の藝大美術館で、シルクロード特別企画展「素心伝心-クローン文化財 失われた刻の再生」と題する一風変わった展覧会が開催されている。 会場に入ると思わずびっくり…

R・D・ウィングフィールド『フロスト始末』

愛すべきフロストはどこへ? ロンドンから70マイル、イギリス北西部の地方都市デントン署のフロスト警部を主人公とする人気シリーズ。相変わらず次から次へと難事件が持ち上がりフロストが右往左往する抱腹絶倒の物語である。 常連のデントン署の面々が個…

青森県立美術館

(写真1 三内丸山遺跡に隣接してある青森県立美術館外観)「あおもり犬」がいい このたびの津軽海峡旅行では旅の最後に青森県立美術館に立ち寄った。時間に余裕があるようであれば、街をぶらぶら散策するのも楽しみだが、正味1時間程度しか時間がないよう…

三度目の十和田市現代美術館

(写真1 十和田市現代美術館外観)スタンディング・ウーマンに会いに行く 津軽海峡に向かう途中、東北新幹線を七戸十和田駅で下車し、十和田市現代美術館を訪ねた。 この駅で降り立ったのがこれが初めてで、新幹線らしくまだ新しい立派な駅舎だった。駅前も…

福島県立美術館を訪ねて

(写真1 福島県立美術館図書館全景。左が美術館)ワイエスの傑作と出会う 飯坂温泉への帰途福島県立美術館へ立ち寄った。美術館は、福島交通で福島駅から二つ目、美術館図書館前駅が最寄り駅で、駅からは徒歩数分のところ、住宅街の中にあった。 二つの施設…

福島交通と飯坂温泉

(写真1 右が福島交通飯坂線ホームで、左は阿武隈急行のホーム)奥座敷に向かう小さなローカル私鉄 このたびの津軽海峡旅行では、途中、福島で下車し、福島交通で飯坂温泉を訪ねた。 福島交通は、福島市にある小さなローカル私鉄で、飯坂電車とも呼ばれ、飯…

映画『静かなる情熱』

(写真1 映画館に掲示してあった看板から引用)エミリ・ディキンスンの生涯 アメリカの詩人エミリ・ディキンスンの生涯が描かれている。 マサチューセッツ州のアマストが舞台。南北戦争のころだから19世紀なかば。ラヴィニアが膨大な詩篇を発見する。姉のエ…

龍飛崎 鋭く津軽海峡に突き出る

(写真1 龍飛崎の突端から津軽海峡を望む)演歌の似合う岬と灯台 このたびの津軽海峡旅行では、本州側では下北半島大間崎に続いて津軽半島龍飛崎を目指した。この間に、北海道側では函館湾をにらむ葛登支岬灯台を訪ねていたから、津軽海峡を挟んで本州、北…

奥津軽いまべつ駅と津軽二股駅

(写真1 通路から見下ろしたJR北海道北海道新幹線とJR東日本津軽線=左端)JR北海道駅と東日本駅が隣接 北海道の木古内から津軽半島の龍飛崎へ海峡を越えて向かうにはどのようなルートがあるか。 ここには函館-大間のようなフェリーはないから青函トン…

道南いさりび鉄道

(写真1 函館駅で発車を待つ木古内行き列車)旧江差線を死守 道南いさりび鉄道は、五稜郭駅と木古内駅を結ぶ第三セクター鉄道で、全線37.8キロ、駅数は12。ちなみに英文名はSouth Hokkaido Railwayである。 かつてJR北海道江差線だったものが、20…

本州最北端下北半島大間崎

(写真1 大間崎の沖合600メートルの小島弁天島に建つ大間埼灯台)本州-北海道最短距離 田名部にあるむつバスターミナルから下北交通バスで下北半島を北上していくと約1時間30分で目指す大間崎に到着した。9月3日。 バスを降りると、土産物屋などが…

映画『三度目の殺人』封切り日に観る

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用)一級のサスペンス 弁護士の重盛は、殺人及び死体損壊事件の被告三隅の弁護を依頼される。三隅は勤めていた食品加工会社の社長を多摩川河川敷に呼び出しスパナで殴打し殺した上、ガソリンをかけて焼いた罪…