ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

野岩鉄道会津鬼怒川線

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(写真1 新藤原駅ホーム。右1番線は東武鉄道の折り返し列車で、左は東武線から野岩線、会津線、JR線と直通する会津若松行き特急リバティ会津111号)

首都圏と会津を結ぶ

 野岩(やがん)鉄道は、東武鬼怒川線の新藤原と会津鉄道の会津高原尾瀬口を結んでいる。旧国名の下野国と岩代国を結んでいるところからこの鉄道名となった。路線名称は会津鬼怒川線。全長30.7キロ、駅数は9。
 線内運転の列車は1本もなく、すべて鬼怒川線あるいは会津線との直通列車である。会津線は、すべての列車が終点の西若松から一駅先の会津若松まで延伸して運転されているから、この野岩線を間に、東武、野岩、会津、JR東の4鉄道を跨いで運転されている列車がある。首都圏と会津を結ぶ短絡線の位置づけもあり、浅草から1本の列車で最短4時間14分で会津若松との間を結んでいる。ちなみに、これがJRなら新幹線と磐越西線を乗り継いで約3時間となる。

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(写真2 野岩鉄道管理駅新藤原駅)

 さて、野岩線である。起点の新藤原は標高425.3メートルの地上駅。2面3線のホームがある。当駅止まりの東武線は車止めのある1番線に到着する。このホームの駅名標にはこの先の駅名は記載されていない。ただし、同じ駅名標の裏側、2番線側の駅名標を見れば、野岩線の次駅名がちゃんと載っている。駅前に住宅はあるが 商店などは見当たらなく、山間の小駅といった様子である。野岩鉄道の管理駅。
 新藤原を出るとすぐにトンネルに入る。そのまま次の竜王峡はトンネル内にホーム。右側に片側1線。ハイキングコースとして知られる。

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(写真3 鬼怒川に架かる小網ダム)

 左窓に鬼怒川が並行しており、途中にダム。小網ダムというらしい。川治温泉を出て鬼怒川を渡ったが、濃い緑色をした美しい川。次の川治湯元では右窓眼下に温泉街が望めた。
 次の湯西川温泉もトンネル内にホーム。トンネルを抜けると美しい湖。ダム湖であろう。

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(写真4 沿線のダム湖)

 とにかくトンネルと橋梁が多い。調べてみたら、トンネルの数は18、橋も64カ所もある。沿線に住宅はほとんどなく山間の路線である。何でも踏切は路線中1カ所しかないそうである。

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(写真5 温泉が続く沿線)

  温泉が多い。鬼怒川ほどの規模ではないが、川治、湯西川、中三依・上三依と温泉街が続く。それで、路線名には〝ほっとスパ・ライン〟の愛称がついている。

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(写真6 会津高原尾瀬口駅。野岩鉄道と会津鉄道との分界駅である)

 そうこうして長いトンネルを抜けると会津高原尾瀬口到着。野岩線の終点である。1面2線のホームがあり、会津鉄道との分界駅であり、会津鉄道の管理駅。この駅は福島県南会津郡南会津町にあり、野岩線唯一の福島県。構内にはいまは使われていない転車台があり、猿が群れていた。

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(写真7 会津高原尾瀬口駅の駅舎)