ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

津軽線三厩駅

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シリーズ 行き止まりの終着駅

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(写真1 津軽半島最北端津軽線三厩駅=2017年9月4日)

色濃く漂う最果ての旅情

 太宰治も『津軽』で「この先に道はない。だぼんと海に落ちるだけだ」と書いていたように、龍飛への道は一本道で、龍飛へ行こうとすると鉄道はどうしても三厩で降りなければならない。
 津軽線は、青森と三厩を結ぶ路線。私はこれまでに6度龍飛崎を訪ねたが、そのいずれもが三厩から向かった。青森-三厩間55.8キロ、駅数18。
 青森を出ると、列車はしばらく陸奥湾を右窓に見ながら津軽半島を北上していく。途中の蟹田で陸奥湾から離れていくのだが、この蟹田はやはり『津軽』で太宰が「蟹田ってのは風の町だね」と書いたところ。龍飛の手前ですでに風が強いのである。
 次の中小国がJR東日本とJR北海道の境界駅で、さらに進んだ津軽二股は北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅と連絡している。この奥津軽いまべつ駅は本州にあるのにれっきとしたJR北海道の駅である。、私は非常なる興味があってかつてわざわざここで北海道新幹線から津軽線に乗り換えたことがある。やがて津軽浜名に至って再び海に面する。すでに津軽海峡である。

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(写真2 三厩駅ホーム。駅名標に〝みんまや〟=1992年12月20日)

 そうこうして終点三厩。青森から直通する列車は日に1本しかないが、約1時間30分。現在は〝みんまや〟と読んでいるが、初めて降り立ったころは〝みうまや〟と読ませていた。

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(写真3 1989年6月17日の三厩駅ホーム。駅名標には〝みうまや〟)

 津軽半島最北端の駅であり、ここまで来るとさすがに最果ての旅情が色濃く漂っている。1面2線のホームがあり、駅舎は何度か通っているうちに新しくなった。

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(写真4 1989年6月17日の三厩駅外観)

 駅前の広場からは、龍飛崎へのバスが出ている。外ヶ浜町営で、三厩から龍飛漁港まで約30分。

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(参考 龍飛埼灯台=2017年9月4日)