ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

白堊芸術祭今年も

f:id:shashosha70:20201216114822j:plain

(写真1 会場の様子)

コロナにも負けず

 白堊芸術祭が今年も開催された。コロナ下のこと、開催が危ぶまれていたが、熱心な会員の後押しがあって開催にこぎ着けたもののようだ。会員の中にはこの展覧会に向けて1年をかけて作品作りに励んでいる人も少なくなく、大きな励みとなっているのであろう。
 高校時代の在京同窓会が行っているもので、毎年師走のこの時期に開催されていて今年が13回目。今回はさすがに例年よりはやや少なくはなったものの43人76作品が出品された。
 出品分野は、油彩や水彩、パステル画、水墨画、アクリル画、リトグラフといった絵画を中心に写真、書、陶芸、鎌倉彫、彫刻、グラフィックデザインなどと多彩なことが特徴で、詩と絵画を結びつけた作品も例年通り多かった。
 出品者の年代も、昭和20年卒の大先輩から61年卒までと幅広く、40年以上にもまたがっていることも素晴らしい。
 出品は、プロ、アマを問わず、また、力量を競うものでもないが、毎年初出品者がいるし、毎年見ていると、趣味にしている人たちのあいだでも技量が向上していることがはっきりと見て取れて、この芸術祭への出品が一つの励みになっていることがわかる。
 また、会期が6日間と長いし、同窓生が連日会場を訪れていて大きな交流の場ともなっていることも楽しいこと。
 会場の柱には、Projet de clonne blanche と題し、白い円柱のアートプロジェクトが行われていて、名刺大のカードに来場者が思い思いのメッセージを寄せていた。中には、「こんなことは実に稀です」(革トランク)という宮澤賢治の言葉を引いて平穏な日々が戻りますように!というメッセージも寄せられていた。賢治はこの学校の同窓生である。
 会場を一巡して気に入ったのは、坂本努(S44卒)さんの「待つ女」という油彩。どこか、アンディウォホールを彷彿とさせた。この言い方はご本人は気に入らないかも知らないが。

f:id:shashosha70:20201216115053j:plain

(写真2 円柱に張り出された来場者のメッセージ)