(写真1 シカゴのデイリー・シビック・センタービルの前庭にあるピカソの「アンタイトル」。コールテン鋼という材料が使われている)
世界各地に拾う
街角や街路にたたずむアート。ストリートアートとも違って景観に溶け込んでいるのが素晴らしい。旅行などで訪れた街を歩いていてパブリックアートを見つけると、その町の豊かな情緒までも感じられてうれしい。内外で印象深かったものをいくつか拾ってみよう。
シカゴはアーキテクチャの街としても知られるが、街を歩いていてよく見かけるのはプラザ・アートと呼ばれるパブリックアート。大きなビルの前庭に展示してあるのでこの名で呼ばれる。
(写真2 カルダーの『フラミンゴ』)
連邦政府センタープラザにあり、赤く色を塗られた鉄製の大きな作品で、高さは10数メートルもありそうだ。私にはフラミンゴというよりは、巨大な昆虫のようにも思われた。
(写真3 ヘンリー・ムーアの作品)
ボストンのMIT(マサチューセッツ工科大学)の外周道路に面してある。パブリックアートとは呼ばないのかもしれないが、道路からも見えるし自由に見学できる。MITにはほかにもムーアの作品がいくつかある。
日本にもパブリックアートに熱心な都市がいくつかある。
(写真4 舟越保武「花を持つ少女」=姫路市)
姫路には、姫路駅から姫路城に向けてまっすぐ延びる道路沿いに彫刻がいくつか立っている。船越の作品はいつ、どこで見ても高い精神性が感じられて好きだ。
(写真5 佐藤忠良「夏」=釧路市)
釧路もパブリックアートの多い街。釧路駅からまっすぐに伸びたメインストリートを行くと弊舞橋(ぬさまいばし)の欄干に春夏秋冬と名づけられた彫刻が迎えてくれる。舟越保武、佐藤忠良らいずれも戦後日本を代表する彫刻家4人の競作。
(写真6 舟越保武「春」=釧路市)