ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

優雅にコウノトリ

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(写真1 飼育中のコウノトリ)

千葉県野田市こうのとりの里

 小学生の孫に無類の鳥好きがいて、コウノトリが見たいというので一緒に出かけた。
 千葉県野田市にあるこうのとりの里。利根川の流域にあり、江戸川と結ぶ運河にも近いところだった。広大な畑地や森の広がる自然環境にあった。
 コウノトリの繁殖や育った鳥の放鳥も行っている。試験放鳥では本格的な野生復帰に移行するかどうかの検証も行っているという。

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(写真2 ガラス越しに見学もできる観察棟の様子)

 観察棟では、飼育されている親鳥2羽が観察できた。この2羽はつがいなそうである。この2羽の幼鳥2羽は別の場所で飼育されていた。

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(写真3 羽を広げたコウノトリ)

 コウノトリはとても大きくて、全長が100~115センチ、翼を広げた長さが160~200センチにもなる。体重は5キロほどというからなるほど鳥にしては大きい。全体が白く、尾の部分が黒い。くちばしが黒く大きくて、目の周りだけが赤い。とても美しく、羽を広げると優雅である。

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(写真4 大きなくちばしと鋭い目)

 ドジョウやカエル、ヘビ、バッタ、トンボなど田んぼや水路、河川、湿地などの水辺にいる生き物たちを食べているといい、肉食だということである。
 面白いのは、大人のコウノトリは鳴かないのだそうで、警戒したときなどにくちばしをカタカタとたたき合わせる「クラッタリング」をするということである。
 ロシア、中国、韓国、日本など東アジアに分布しているが、日本では一時野生下では絶滅したが、その後放鳥もできるようになり、現在では全国で80羽ほどが生育しているという。なお、世界でも2,000~3,000羽しかいなく、絶滅の危機にあるそうだ。
 この施設では2012年から多摩動物公園から譲り受けた2羽を手始めに飼育していて、関東では初めての放鳥も実施している。
 この日は、大空に舞う姿は見られなかったが、コウノトリは縁起のいい鳥でもあり、自然との共生ということでも、是非個体数を増やしてほしいものだと思った。(2020年9月5日取材)

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写真5 こうのとりの里の観察棟)