シリーズ 世界の岬と灯台紀行
(写真1 ロカ岬灯台のあるロカ岬)
ここに地終わり海始まる
ユーラシア大陸をどこまでも西へ進んだ端っこがポルトガルのロカ岬である。イベリア半島であり大西洋に面する。
ロカ岬へはポルトガルの首都リスボンから鉄道とバスを乗り継いでいける。
(写真2 リスボンの中央駅であるロシオ駅)
まず、リスボンの中央駅であるロシオ駅からポルトガル鉄道でシントラへ。約45分。シントラは王城があり世界文化遺産の街として知られ、散策するに楽しい。詩人バイロンがエデンの園と呼んだ。
(写真3 ロカ岬への最寄り駅シントラ駅)
シントラ駅からはロカ岬へ直通バスが出ていて、約40分。岬は、ポルトガルの詩人が「ここに地終わり海始まる」と謳ったところだ。
(写真4 記念碑の建つロカ岬)
ロカ岬は、風が強く荒涼としていかにも地の果てという印象。150メートルほどの断崖絶壁になっている。眼前には240度もの遮るものない眺望で大西洋が広がっている。風が強くあおられそうになるからぎりぎり端に立つには躊躇がある。しかし、岬好きにはこたえられない魅力的な岬だ。
眼下の海はさほど波が高いようにも思われない。しばらく眺めていたが、海上に船影が全く見られないのはどうしたことか。
(写真5 記念碑の碑文)
岬には、ユーラシア大陸最西端の記念碑が建っている。石を組んだ塔になっており、碑には、CABO DA ROCAとあり、北緯38度47分、西経9度30分とあった。
(写真6 レンガ造の灯台。てっぺんが赤い。日本では見られないような空の青さだ)
岬には灯台がある。レンガ造で1772年建設という古いもの。現役である。座標は北緯38度46分49秒、西経9度29分56秒である。この灯台の付属舎にはインフォメーションセンターがあって、ユーラシア大陸最西端到達証明書を発行してくれる(有料)。
(写真7 カスカイス駅)
帰途は、シントラ駅から来たバスでそのままカスカイスという駅に出た。周回しているようだ。30分。この街も古都で人気の観光地のようだった。
カスカイスからは鉄道でリスボンへ。到着したのはカイユード・ソドレという駅だった。
リスボンから日帰りでロカ岬を回ってきたわけだが、考えてみれば、リスボン自体が首都としては最西端なのである。
リスボンは、市内をケーブルカーが巡っていて、とても風情のある街。岬・灯台と鉄道好きにとっては魅力あるところ。加えて哀愁を帯びたファドが印象を深くしていた。